通信装置と光ネットワークの接続には、多くの光コネクタが使われています。光コネクタで接続した光ファイバーの端面が汚れている場合、通信ネットワーク障害の原因となります。実際に、障害の50%以上は、光ファイバー端面の状態に起因していると言われています。OTDRの測定においても、端面の汚れは測定結果に大きな影響を与えます。
図1は汚れた端面での測定波形、図2はその端面を清掃した後の測定波形です。端面が汚れていると、反射のあとの裾引きが大きくなります。アッテネーションデッドゾーンが長くなった状態になり、正しいイベント検出ができなくなります。もし、OTDRの測定を行い、このような波形が現れたら、コネクタ端面の汚れや傷が疑われます。WDMやPONなどの大きな光出力を使う通信経路では、皮脂やホコリなどの汚れ、キズ、などが原因で、コネクタ端面が焼損する事故もあり得ます。光ファイバーの敷設・保守工事で、コネクタ端面の清掃は必須であり、検査プローブによる確認検査は重要な推奨項目です。近年では、その判断基準が国際標準化されています。
YOKOGAWAのOTDRは、ファイバー検査プローブ*を接続することで、ファイバー端面の拡大検査が可能になります。また、ファイバー端面検査機能(/FSTオプション)ではファイバー端面の汚れや傷の合否判定を、IEC61300-3-35準拠もしくは任意の基準で、自動的に行います。判定結果は保存ができ、PDFレポートにも反映されるので、工事終了後のエビデンスとして有効です。
*ファイバー検査プローブの推奨品は、各製品ページをご確認ください。
図1: キズや汚れのある端面による正しくない測定波形
図2: 良品の端面による正しい測定波形
YOKOGAWAのAQ7280 OTDRは、コアネットワークからFTTHまで幅広い光ネットワークに対応し、敷設や保守作業を行う現場の技術者が必要とする試験・計測の多様なニーズを満たします。
AQ1210 シリーズMFT-OTDRは、アクセス系FTTA、FTTHからメトロネットワークまで幅広い光ネットワークに対応し、敷設や保守作業を行う現場の技術者が必要とする試験・計測の多様なニーズを満たします。
通信インフラの測定ニーズを先取り
現在、かつてないほど多くのデータが利用できるようになりました。大量のデータや画像情報はクラウドにアップされて、様々な解析が行われ、価値のあるデータとして、利用者に送られます。
データの送受信には、光ネットワークが利用され、そのデータ容量は、爆発的に増加、エネルギー消費の増大も招いています。YOKOGAWAは、光ネットワークに使用される様々な光デバイスの光学特性とエネルギー使用量を正確に測定することで、持続可能なデータ通信をサポートします。
OTDR(Optical Time Domain Reflectometer)は、光通信ネットワーク内で、ファイバーリンクに沿ってイベントまたは障害を特定するために使用される精密機器です。小型・軽量ハンドヘルド型のAQ1210と充実した波長ラインアップのAQ7280をご用意しています。
光ファイバー通信に使用される光部品や光伝送器の開発や生産では性能や品質を確認する光スペクトラムアナライザ、光ファイバーの敷設現場では光ファイバーケーブルの断線などの障害がないことを確認するOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)が欠かせません。光通信の業界で、最先端の計測技術を活かして、ソリューション提供いたします。