スイッチング電源出力監視

背景

スイッチング電源 (Switch Mode Power Supply: SMPS*)の世界市場は年々増加しており、年平均成長率 (CAGR) 2%で2020年から2027年まで成長すると予想されています。

SMPSメーカーは、電力使用効率の向上、軽量化、小型化、柔軟な電力変換を実現することで需要の高まりに対応し、他社との差別化を図っています。エンジニアは、新しいSMPS設計の信頼性、安定性、コンプライアンス、および安全性を確保するために、複雑な測定テストを実行する必要があります。

* Switched Mode Power Supply. 半導体スイッチ素子のオン・オフ時間比率をコントロールし出力を安定化させる電源装置

チャレンジ

電力品質、突入電流、 MOSFETスイッチングなどSMPS設計に必要な試験は多くあります。重要な試験の一つとして、異なる負荷に接続したときに高サンプリングレートでSMPS出力電流特性の長時間監視があります。動的負荷条件が存在することによる出力電流の変化をモニターし、さらに分析するために保存することが必要です。このテストを実行するには、次の要件を満たす計測器が必要です。

 

ソリューションとメリット

スコープコーダDL950は、お客様の要件を満たす、次の機能を備えたスタンドアロンの計測器です。

各チャネルごとに絶縁されており、4ch 10MS/sチャネル 16ビット分解能のモジュール720256をご利用いただけます。

モジュール720212により最大200MS/sの高速サンプリングが可能です。

DL950では周波数、周期やRMSなどの様々なパラメータを測定と同時にリアルタイムで演算が可能です。さらに電力解析や高調波解析も行えます。（/G05オプション）

DL950はSMPSの出力電流を長時間かつ高速に測定可能です。長時間の測定により大きくなったデータも大容量内蔵SSDメモリにより簡単に保存可能です。さらに各チャネルが絶縁された高分解能のモジュールにより、フローティング信号であっても差動プローブを使わずに直接測定いただけます。また、測定対象に応じてモジュールを変更いただくことで、電流電圧以外の熱、振動、ひずみといった物理信号も同時かつ一台の測定器で計測いただけます。

DL950は電源品質、突入電流、MOSFETのスイッチング(振幅、デューティ伝送周期、周波数)などのテストを行うことができます。また、DL950はスコープモード/メモリーレコーダモードを切り替えることで、オシロスコープまたはデータレコーダとしても使用でき、使い慣れた測定器の設定方法でDL950をご利用いただけます。

新モジュール

高速200MS/s 14bit 絶縁モジュール 720212

入力CH数：２

最高サンプルレート：200MS/s

周波数帯域：DC～40MHz

最大入力電圧：1000V(DC+ACpeak)*

A/D変換分解能：14ビット

4CH 10MS/s 16ビット 絶縁モジュール 720256

入力CH数：4

最高サンプルレート：10MS/s

周波数帯域：DC～3MHz

最大入力電圧：600V(DC+ACpeak)*

A/D変換分解能：16ビット

 

 

* 10:1または100:1プローブ使用