スコープコーダ SDK(Software Development Kit)

本ソフトウェアは、DL950/SL2000のアクイジションにおける波形データ取得のためのAPI( Application Programming Interface)を提供します。

API概要

API は、ダイナミックリンクライブラリ(DLL:Dynamic Link Library)として提供されます。
ユーザー作成のアプリケーションと一緒に本DLL をリンクすることで、APIを利用できます。
API は以下の3つの機能を提供します。

  • データアクイジション機能
  • フラッシュアクイジションデータアクセスライブラリ機能
  • ファイル操作・転送機能

データアクイジション機能
データアクイジション機能は下図のように、アクイジション動作中の波形データの収集
および測定条件の設定に関する機能をアプリケーションに提供します。(フリーラン測定およびトリガ測定)

本API で提供されるデータアクイジション機能は、フリーランモードおよびトリガモードの2 種類に対応しています。
(1)フリーランモード
波形の取り込みを開始してから停止するまでデータ取得を続けたい場合に使用します。
フリーランによる波形の取り込みの仕様
最大転送レート 320MB/S(10MS/s × 16ch):10Gbit Ethernet 接続時
最大転送レート 6.4MB/S(200kS/s × 16ch):1Gbit Ethernet/USB 接続時
最大波形取り込み時間 10 日間(※本API で動作保証する最大時間になります)
※複数台同期接続による測定では、DL950/SL2000 からは上記転送レートでデータを送ると接続環境やPC 側のパフォーマンスなどの影響によりデータ送信用のバッファーオーバーランが発生する可能性が高くなります。複数台の転送レートの合計が上記範囲内で測定を行うことを強く推奨します。

(2)トリガモード
トリガによる波形取り込みを実施する場合に使用します。本API を使用したトリガモードには、PC とDL950/SL2000 が同期をとりながら波形取り込みを行う同期モードと、DL950/SL2000 がPC とは非同期に取り込みを行う非同期モードの2 種類のモードがあります。
なお、本API では以下の機能には対応していません。

  • ロールによる波形取り込み(※ DL950/SL2000 本体はロールによる波形取り込みは可能ですが、ロールによる波形取り込み中に本API での波形取得には対応していません)
  • DL950/SL2000 のトリガモードがN シングル
  • DualCapture による波形取り込み
  • リアルタイム記録(SSD 記録、フラッシュアクイジション)
  • メモリーレコーダモード

トリガによる波形の取り込みの仕様
最大波形取り込み時間 10 日間(※本API で動作保証する最大時間になります)
10GbpsEthernet を用いた高速転送モードが有効な場合、メモリー結合の制限により設定可能な最大レコード長は以下のようになります。メモリー結合の詳細については、「DL950 スコープコーダ/SL2000 高速データアクイジションユニット ユーザーズマニュアル[ 操作編](IM DL950-03JA)」の付録をご覧ください。
標準モデル:250M
/M1 モデル:1G
/M2 モデル:2G

フラッシュアクイジションデータアクセスライブラリ機能
フラッシュアクイジションデータアクセスライブラリは、DL950/SL2000 に保存されているフラッシュアクイジションの波形データを本体に読み込みをすることなく直接PCに取り出す機能をアプリケーションに提供します。
※ ただし、本API を使用してフラッシュアクイジションの波形データの取り出しを行う際には、アクイジションメモリーを一時バッファーとして使用するため、メディアに保存されていないアクイジションメモリーにあるデータおよびヒストリ情報は消去されます。フラッシュアクイジションに保存されている波形データは影響しません。
※ 本機能は、/ST2 オプションが実装されている場合のみ有効です。

ファイル操作・転送機能
ファイル操作・転送機能は、DL950/SL2000 の測定データや設定の取得、送信、削除に関連する機能をアプリケーションに提供します。

 

機能

本ソフトウェアを利用して、以下の機能を実現できます。詳細機能につきましては、API 詳細仕様をご参考ください。

  • API の初期化
  • 測定器への接続と切断
  • 各種パラメータ設定
  • 波形データの取得
  • フラッシュアクイジションに保存されている波形データの測定条件の取得
  • フラッシュアクイジションに保存されている波形データの取得
  • 本体に保存されているファイルのリスト取得
  • ファイルの操作及び転送(本体→ PC、PC →本体)

 

ソフトウェア構成

本ソフトウェアは以下のパッケージ構成からなります。

スコープコーダSDK ユーサーズマニュアル
API 利用関連ファイル(下表)

ファイル名 内容
ScSDK.dll API本体
ScSDK64.dll API本体64bit版
ScSDKNet.dll .NET版フリーランAPIライブラリ
ScSDK.lib APIインポートライブラリ (C++のみ)
ScSDK64.lib APIインポートライブラリ64bit版(C++のみ)
ScSDK.h 関数プロトタイプ宣言のヘッダファイル(C++のみ)
tmctl.dll 通信用ライブラリ
tmctl64.dll 通信用ライブラリ64bit版
sample サンプルプログラム(C++、C#、VBNet)

 

対応製品

DL950(ファームウェアバージョン2.01以降)
SL2000(ファームウェアバージョン2.01以降)
※USBで動作させるには、別途専用 USBドライバ(YTUSB)が必要です。

 

システム条件

PC本体

Windows10(32bit、64bit)の日本語版または英語版が動作するPC
なお、本ソフトウェアでフリーランによる波形の取り込みを行う場合、指定されたバッファーにデータを保存します。
詳細はユーサーズマニュアルをご確認ください。

開発環境

Visual Studio 2017 以降 .NET Framework 4.7 以降

ユーザプログラムを実行する場合の推奨環境について

10Gbit Ethernet 通信利用時
・ CPU
デスクトップPC
Intel Core i7-1165G7 以上 / 4 コア(8 スレッド)以上 / 4.7GHz 以上
・ メモリー
16GByte 以上
・ SSD
512GB 以上(M.2 スロットSSD 推奨、読み書き性能3GB/s 以上)

1Gbit Ethernet/USB 通信利用時
・ CPU
Intel Core i5-10210U 以上 / 4 コア(8 スレッド)以上 / 4.2GHz 以上
・ メモリー
8GByte 以上
・ SSD
256GB 以上(読み書き性能400MB/s 以上)

日付 バージョン 内容
2025/8/1 1.0.1.0 リリース

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