2024年10月31日
横河計測株式会社
横河計測 高精度パワーアナライザ「WT1800Rシリーズ」を開発・発売
~自動車向けをはじめとするパワーエレクトロニクスの電力測定アプリケーションを支援~
横河計測株式会社(本社:東京都八王子市 代表取締役社長:鈴木 俊之)は、プレシジョンパワーアナライザ「WT1800Rシリーズ」を本日発売しますのでお知らせします。本製品は現行機種である「WT1800Eシリーズ」が備えもつ高い測定性能や広い入力レンジに加え、多様な演算や他の測定器との組み合わせに対応し、自動車向けモーターの効率評価をはじめとした幅広い電力測定アプリケーションを支援します。
プレシジョンパワーアナライザ「WT1800Rシリーズ」
開発の背景
2011年に発売した「WT1800」、その後継機種として2016年に発売した「WT1800E」は、高い測定性能と広い入力レンジを備えた電力計として、多様な業界で活用されています。近年、あらゆる業界でエネルギー効率の重要性が高まっており、電気自動車、再生可能エネルギー、家電などのパワーエレクトロニクス業界では、電力変換の高効率化、低消費電力化のため、より正確な電力測定が求められています。特に電力を有効活用するための高効率モーターの評価にあたり、モーターの制御パラメータの測定や、電力測定と波形測定を組み合わせての現象把握へのニーズが高まっています。
製品の特長
「WT1800Rシリーズ」では、「WT1800Eシリーズ」の特長に加え、拡張された演算機能や他の測定器と組み合わせての測定によって、従来の電力測定アプリケーションのみならず、高効率モーターの評価にもより一層便利に使用できます。 WT1800Rシリーズは、入力エレメント数の違いによる6つのモデルで構成されています。
1. 高精度、広い測定範囲で多様な測定に適応
「WT1800E」で実績のある ±0.1%の高い電力基本確度をもちます。また、低い力率誤差から、電圧と電流の位相差が大きい場合にも高精度な測定が可能です。加えて、AC確度は電圧・電流レンジの1%~110%で保証されています。これにより、電流レベルが劇的に変化する広いダイナミックレンジを必要とする条件にも正確な電流測定が可能となり、多様な電力測定アプリケーションに適応します。
2. 新演算機能や波形測定器との同期測定でモーター評価を強力に支援
高効率モーターの制御に用いられるLd、Lqの演算に対応します。計算式をプリセットできるため、使用者は複雑な操作をすることなくパラメータを演算できます。
また、統合計測ソフトウエアプラットフォーム 「IS8001/IS8002」に接続することで、遠隔地からパソコンで「WT1800R」を操作したり、測定したデータをパソコンに保存したりすることが可能です。「IS8001/IS8002」では高速データロガー「DL950」をはじめ、波形測定器と「WT1800R」を同期測定することもできます。モーターの連続動作試験で効率悪化がみられる際の原因究明として、高精度な電力測定と波形測定を組み合わせて相関関係を1つの画面で容易に把握できます。
3. 大電流測定でのユーザビリティを向上
「WT1800Rシリーズ」は電流センサー用電源のオプションを搭載しており、外部電源を用意することなく簡単に電流センサーと組み合わせた大電流測定を行うことが可能です。また、近日別売予定の専用アクセサリによりAC/DCスプリットコア電流センサー「CT1000S」への電源供給ができます。センサーコア※を分割可能な「CT1000S」と組み合わせて使用することで、測定対象のケーブルを切断することなく取り付けや取り外しが容易になり、作業を効率的に行うことができます。
※ センサーコア:電流検出のための磁性体
【 主な市場 】
• xEV、産業機器(モーター)
• 再生可能エネルギー
• 家電
【 用 途 】
• xEVや産業機器向けインバーター・モーターの効率評価試験
• パワーコンディショナの効率評価試験
• 空調機器・冷蔵庫の消費電力・待機電力評価
本文中で使用されている会社名、団体名、商品名、サービス名およびロゴ等は、横河計測株式会社、各社および各団体の登録商標または商標です。
WT1800Rプレシジョンパワーアナライザは、最先端の研究開発で求められる高い性能と豊富な機能、拡張性を兼ね備えたモデルです。EV/PHV/FCVなど自動車の電動化や再生可能エネルギー向けパワーコンディショナなどの技術開発や各種規格試験など、パワーエレクトロニクスに関わる幅広いアプリケーションにお使いいただけます。