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ソース動作 (電流の供給) およびシンク動作(電流の吸込み)による4象限動作が可能です。出力分解能および測定分解能は5.5桁です。
用途に合わせて2つのモデルからお選びいただけます。
18Vモデル (765601/02) |
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電圧レンジ |
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200mV/ 2V/ 7V/ 18V |
最大出力電流 |
: |
±3.2A (出力電圧±7V 以下) |
電流レンジ |
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200nA/ 2µA/ 20µA/ 200µA/ |
最大出力電圧 |
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±18V (出力電流±1.2A 以下) |
50Vモデル (765611/12) |
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電圧レンジ |
: |
200mV/ 2V/ 20V/ 50V |
最大出力電流 |
: |
±1.2A (出力電圧±20V以下) |
電流レンジ |
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200nA/ 2µA/ 20µA/ 200µA/ 2mA/ |
最大出力電圧 |
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±50V (出力電流±0.6A以下) |
GS820は、定電圧源VSと定電流源IS,電圧計VMと電流計IMによって構成された2組のアナログチャネルを備えています。それぞれのソースメジャーチャネルはアイソレーションされています。
発生および測定機能:
チャネルごとにこれらを選択し、任意の組み合わせで使用できます。
ローカルセンス、リモートセンスの切替により、2線式/4線式の電圧センシングが可能です。
2つのチャネルの発生、測定機能の組み合わせにより、1台のGS820でさまざまな試験対象に対応できます。
GS820では内部タイマや外部入力信号などのトリガ入力を起点として発生と測定を行います。トリガ信号の入力後、ソースディレイ時間の経過後に発生を開始し、メジャーディレイ時間を経過した時点で所定の積分時間による測定を行います。これにより、出力変更直後の不安定なタイミングを避けることができ、精度の高い測定が可能です。測定積分時間は0.001PLC~25PLC*2の範囲で設定できます。さらに、測定後に内部ゼロ基準を測定しリアルタイムにオフセット補正を行うオートゼロ測定機能を利用できます。オートゼロ測定の積分時間は、測定積分時間の設定値に従います。
GS820では発生トリガ源と測定トリガ源を別々に選択できます。発生トリガ源には2種類の定周期タイマや外部信号入力などがあり、測定トリガ源にはこれらに加えソース変化点やスイープ終了点などがあります。下図のように発生トリガと測定トリガを別々にかつチャネルごとに設定できるので、さまざまな接続条件やタイミングでのソース&メジャーに柔軟に対応できます。また、補助トリガには外部信号によるものとプログラムイベントによるものがあります。さらに各チャネルのソースディレイ、メジャーディレイ、積分時間を個別に設定できます。
GS820の多彩なトリガ源により、発生と測定を非同期で実行できます。下図の場合、発生をタイマ1、測定をタイマ2のトリガ源に従って実行し、1回の発生に対し複数回の測定を実現しています。これにより動作の違いによる負荷電流の変動についてもきめ細かい測定が可能となります。
GS820の電圧電流発生部にはDC発生モードとパルス発生モードがあります。各発生モードには連続出力、リニアスイープ、ログスイープといった定形のスイープモードが用意されており、簡単なパラメータ設定によりスイープ動作が可能です。各スイープモードでは最小100µs*1ごとにきめ細かく発生値を変化させることができます。
GS820は上記定形スイープ機能のほかにユーザー定義可能なプログラムスイープ機能を備えています。
ユーザーは最大 100,000点までの任意波形データ(CSV形式)を、ワークシートやテキストエディタ上で作成・編集できます。
また、ソースレベルのほかにタイミングや制御パラメータを同時にスイープできるので、波形発生タイミングに同期した制御シーケンスの実行が可能です。
なお、プログラムスイープモードでは最小100µs*2ごとに発生値を変化させることができます。
*2:前の項目の*1最小プログラム周期参照。
ただし、記述した制御パラメータの動作時間は、この値に含まれません。
GS820は生産ラインテスト向けに高速動作を実現しました。リモート制御によるテストスピード(参考値)は以下のとおりです。
テストスピード(参考値)
タスク | 動作時間 | 使用コマンド | 条 件 |
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発生レベル変更(1チャネル) | 423µs | :chan1:sour:lev +15.0000 | 測定機能オフ、発生レンジ=18V 固定 |
発生レベル変更(2チャネル) | 910µs | :chan1:sour:lev +15.0000; :chan2:sour:lev -0.12500 |
同上 |
レンジ+発生レベル変更 | 978µs | :chan1:sour:rang 18V; lev +15.0000 | 測定機能オフ |
リミッタ+発生レベル変更 | 1,048µs | :chan1:sour:lev +15.0000; prot:lev 200uA |
測定機能オフ、発生レンジ=18V 固定 |
発生ファンクション切替 | 457µs | :chan1:sour:func volt | - |
測定(1チャネル) | 613µs | :chan1:meas? | 積分時間0.001PLC、オートゼロ= オフ、外部トリガ |
測定(2チャネル同時) | 820µs | :meas? dual | 同上 |
発生レベル変更+測定(1チャネル) |
985µs
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:chan1:sour:lev +15.0000; :chan1:meas? |
同上、発生レンジ=18V 固定 |
発生レベル変更+測定(2チャネル) | 1,686µs | :chan1:sour:lev +15.0000; :chan2:sour:lev -0.12500;meas? dual |
同上 |
GS820は生産ラインでの自動検査に適したテストシーケンスの作成が可能です。プログラムファイルには、発生値、測定値の比較上限値、比較下限値、制御ビット出力など自動検査に必要不可欠な項目を記載できます。このプログラムファイルはCSV形式で記述でき、汎用ワークシート上での作成・編集や閲覧が可能です。PCからの通信コマンドによる制御を行わなくても、柔軟なプログラム制御が可能です。
複数台のGS820を下図のように接続し多チャネルソースメジャーとして扱うことができます。
マスター・スレーブ同期リンク方式により、マスター機へのアクセスのみで、接続された全チャネル分のプログラムデータを設定・収集できます。
マスター機はスレーブ機に発生データを分配①、また各スレーブ機の測定データを収集し②マージします。
専用のトリガ信号ラインを接続することにより、全チャネルの完全同期が可能です。
GS820のゼロ発生機能では電圧/電流のゼロ値を発生するとともに、電流/電圧リミッタをコントロールし負荷電流を制限します。
ゼロ発生状態では負荷への電圧印加や電流供給を停止することにより、出力リレーをON状態にしたままでDUT(試験対象)の切り離しが可能です。
本機能を利用することにより、出力リレーのチャタリングや接点寿命の問題を回避でき、さらに出力ON/OFFの動作時間を短縮することができます。
GS820とパソコンをUSB接続すると、GS820の内部メモリはUSB記憶装置デバイス(リムーバブルディスク)としてパソコンに認識されます。
GS820の発生パターンを汎用ワークシート上で作成し、このパターンファイルをドラッグ&ドロップ操作するだけでGS820の内部メモリに簡単に格納できます。
GS820はこのファイルに書かれた発生パターンに従って電圧または電流レベルを出力し、各点における負荷電流または付加電圧を測定し、結果ファイルをGS820の内部メモリに格納します。
この測定結果ファイルをドラッグ&ドロップ操作でパソコンに取り込み、汎用ワークシート上でデータ処理、グラフ描画を行います。面倒なプログラミングは一切不要です。
記載内容は2024年10月1日現在のものです。また、お断りなく変更することがありますのでご了承ください。
価格には別途消費税が加算されます。