プレシジョンパワーアナライザ WT1800E

 新興国を中心とした人口増加と、ライフスタイルの変化に伴うエネルギー消費量の増大により、環境問題が深刻化しています。
かけがえのない地球環境を保全し後世に残していくために、エネルギーの効率的な利用の一層の促進とともに、太陽光や風力を はじめとした再生可能エネルギーを活用する社会への転換が求められています。

 このような社会的背景により、あらゆる産業分野でエネルギー利用に関する技術開発が活発に行われています。
そのキーとなるのが生活に身近な電気エネルギーの効率的利用に関する技術で、電圧、電流、電力をはじめとした電気エネルギーに 関する各種パラメータの高精度測定がますます重要となっています。
YOKOGAWAは、高精度な電力測定器の提供を通じて電気エネルギーの効率的な利用に関する技術開発を支援してまいりました。

 WT1800Eプレシジョンパワーアナライザは、最先端の研究開発で求められる高い性能と豊富な機能、拡張性を兼ね備えたモデルです。 EV/PHV/FCVなど自動車の電動化や再生可能エネルギー向けパワーコンディショナーなどの技術開発や各種規格試験など、 パワーエレクトロニクスに関わる幅広いアプリケーションにお使いいただけます。

高い測定精度

クラストップレベルとなる、読み値誤差±0.05%、レンジ誤差±0.05%の電力基本測定確度を達成し、エネルギー効率が高められた最新の機器を、より高い精度で測定することができます。

信頼性

幅広い周波数範囲に渡って確度を保証するとともに、広いダイナミックレンジを備えることで、機器の動作状態が多様に変化する対象でも、常に信頼性の高い測定を実現しています。

幅広いニーズに対応

WT1800Eは、最大6チャネルの電力入力、バラエティに富んだ画面の組み合わせ表示、PCとの親和性、数値と波形解析機能、幅広い周波数入力範囲とその環境性能から、電力、効率および高調波測定が求められる最先端のアプリケーションにフレキシブルに対応します。

主な特長

  • 測定確度の大幅な改善
  • 測定対象に柔軟に対応したデータ更新
  • 積算時のオートレンジ対応で連続測定
  • ひずみ波入力時の最大表示とオートレンジ範囲の拡大
  • 大電流機器の測定をスッキリと実現

エネルギー効率の向上が求められるあらゆる産業分野に

  • 自動車(EV/PHV/FCV)
  • 産業機器(モーター/ポンプ/コンプレッサー)
  • 再生可能エネルギー(太陽光/風力)
  • OA・家電(複合機/エアコン/冷蔵庫/照明)
  • IT(データセンター/サーバー/ルーター)
  • バッテリ充電装置

測定確度の大幅な改善

電力基本確度トータル±0.1%(50/60Hz)を実現しました。
さらに、低い回転数から駆動されるモーターの特性を高精度で測定するために、低周波域での測定確度も改善したことで、 始動から定格までの幅広い周波数帯域で精度の高い測定が可能となりました。
同時に、低力率での電力値への影響も±0.07%of S(皮相電力)と改善しており、従来は正確な測定が難しかった条件下の 高精度な測定が可能です。

測定確度の大幅な改善

周波数―電力確度の特性例(COSφ=1のときの電力)

 

測定対象に柔軟に対応したデータ更新

回転数の変化によって入力信号の周波数が変動するモーターのような機器を測定する際、変化する周波数に追従してギャップなく 測定できる機能です。0.1Hzの低周波から測定可能です。
50ms〜20s間の固定データ更新周期設定に加え、入力信号の周期に同期してデータ更新を行う設定“Auto”を選択できます。
自動試験などの連続測定の際に威力を発揮します。

測定対象に柔軟に対応したデータ更新

Auto設定時の動作イメージ図

 

積算時のオートレンジ対応で連続測定

機器の負荷状態が大きく変化する稼働時と待機時などのように連続して積算電力(Wh)/積算電流(Ah)を測定する場合に、 とても有効な機能です。
従来、積算時はレンジが固定でしたが、本機能は、積算中の消費電力値/電流値の変化に追従して、オートレンジで動作します。
急峻な動作などによって状態が変化し、設定しているレンジ定格をオーバーした場合でも、レンジアップして積算し続けます。
※ 本機能使用時のレンジ変更中はデータ補正を行います。仕様の積算の項を参照してください
 (データ更新周期がAutoのときを除く)。

 

ひずみ波入力時の最大表示とオートレンジ範囲の拡大

従来、クレストファクターの設定が6のときは、定格レンジに対する最大表示は140%でした。
新機能クレストファクターCF6Aの設定では、定格レンジに対する最大表示を280%まで拡大しました。
これにより、オートレンジ設定の場合、レンジアップするしきい値のレベルが上昇し、ひずみ波形の入力の際に頻繁なレンジ変更動作が減るとともに、最大表示値が大きくなります。

 

大電流機器の測定をスッキリと実現

AC/DC電流センサーCTシリーズ用DC電源を搭載できます(/PD2オプション)。
同時に専用ケーブルとシャント抵抗BOXをご利用いただくことで、外部DC電源の確保や手間のかかる配線の準備が不要となり、 センサーと本体一台で大電流測定が可能です。
特に、測定器本体と電源、およびセンサーを一体化することにより、耐ノイズ性能も向上しました。
シャント抵抗BOXを使用する場合には、WT1800E本体に外部電流センサー入力のオプション/EX1~/EX6が必要です。

大電流機器の測定をスッキリと実現
 

実用的な機能とソフトウェア

測定結果を一画面で表示、一目で確認

6入力の電圧レンジ、電流レンジ、同期ソース、結線方式、フィルターなど、それぞれの詳細な設定情報とともに、測定したデータを 1つの画面上に表示できます。画面表示を頻繁に切り替えてデータを確認する必要はありません。
また、数値以外の波形、ベクトル、トレンド、あるいは高調波測定のバーグラフなどと組み合わせて分割して表示も可能ですので、 多くの情報を一画面で確認できます。

測定結果を一画面で表示、一目で確認 測定結果を一画面で表示、一目で確認
 

6チャネルすべての入力を波形で確認

高分解能ディスプレイの採用で波形表示を最大6分割表示できます。
インバータ三相信号の入出力間の信号を画面分割して同時に表示可能です。
波形表示は電圧だけ、あるいは電流だけを表示したり、表示位置を自由に設定できるので、比較したい信号だけを並べて表示できます。
数値データだけでなく、6チャネルすべての波形により機器の動作を確認できます。

6チャネルすべての入力を波形で確認

 

高速データ収集、デルタ演算、 周波数測定機能(全CH)を標準で搭載

今日のアプリケーションで使用されることの多い高速データ収集機能、デルタ演算機能、周波数測定機能(全CH)を標準装備としました。
従来に比べてベースモデルの機能を大幅に向上させることで本器の利用範囲がさらに広がります。

 

リモートでコントロール、 データ表示可能なWebサーバー機能

イーサネット経由にてPCのWebブラウザソフトウェアからWT1800Eに接続することで、リモートコントロールと測定結果の画面をPC上に 表示することが可能です。
PC上でフロントパネルを再現したイメージを介して操作ができるので、本体と同様の感覚でコントロールが可能です。離れた場所からの 制御とデータ確認が簡単にできます。

測定対象に柔軟に対応したデータ更新

 

WTViewerを革新的にアップグレード、WTViewerE

WTViewerEは、WT1800E/WT1800をイーサネット/USB/GPIBで接続して、PC上でWTシリーズ本体の設定/制御、測定データのモニター/収集/解析/保存が容易に行えるアプリケーションソフトウェアです。
測定期間の全てに渡り電力パラメータの数値、トレンドに加え電圧、電流の波形データを同時に取得し、その中から必要箇所を特定して、数値と波形の状態を視覚的に確認する機能を搭載しました。
また、最大4台までのWT1800E/WT1800を使用した同期測定にも対応しています。

測定条件設定画面 測定画面
 

待望のフリーソフトウェア WTViewerEfree

WTViewerEfreeはWTシリーズ用(WT1800EおよびWT3000E)のフリーソフトウェアです。
近年は、商品の開発・評価作業の効率アップとともに、その際に用いる測定器の稼働率アップ、あるいは効率的な利用が求められています。
本ソフトウェアを用いると簡単にPCと接続して、手軽にWT1800Eの制御を行うとともに、スムーズに測定データをPCへ取り込むことができます。

待望のフリーソフトウェア WTViewerEfree 待望のフリーソフトウェア WTViewerEfree
 

サンプルプログラムを無償でご提供

専用のプログラムを作成する場合に、その参考として、VisualBasic / Visual C++ / Visual Basic.NET / Visual C#※をサポートした、各通信機能(USB、GP-IB、イーサネット)向けのサンプルプログラムを当社ホームページから無償でダウンロードできます。

サンプルプログラムを無償でご提供

※ Visual Basic/Visual C++/Visual Basic .NET/Visual C# は米国Microsoft社の登録商標です。

 

WT1800E フロント/リア

フロントパネル

フロントパネル

標準装備                  オプション         
1外部メディアポート 1測定項目設定 1内蔵プリンタ(/B5オプション)
1入力エレメント設定 1積算  
1電圧・電流レンジ表示と設定 1機能設定  
1十字操作キー 1データ保存  
1表示設定    
 

リアパネル

リアパネル

リアパネル_オプション

/PD2オプション付モデル

標準装備          オプション         
1電圧入力端子 1外部電流センサー入力端子(/EXオプション)
1電流直接入力端子 1トルク&スピード入力端子
(モーター評価機能、/MTRオプション)

または、外部信号入力端子
(2系統外部入力機能、/AUXオプション)
1GP-IBインタフェース 1D/A出力(/DAオプション)
12台同期測定用BNC端子 1VGA出力(/V1オプション)
  1電流センサー用内蔵電源(/PD2オプション)

 

電流センサー用電源(/PD2オプション)とともに利用するアクセサリ

コード

電流センサー用接続ケーブル

アクセサリー

シャント抵抗BOX

シャント抵抗BOXを使用する場合には、WT1800E本体に外部電流センサー入力の オプション/EX1~/EX6が必要です。

 

2種類の入力エレメント

幅広い電流入力範囲を高精度測定

50A入力エレメント

50A入力エレメント

5A入力エレメント

5A入力エレメント

50A入力エレメントと5A入力エレメントを同一の本体に搭載できます。
1台で待機から稼働時までの幅広い測定が可能です。

電力基本確度 ±(0.05% of reading + 0.05% of range)*1
測定帯域 DC、0.1Hz~1MHz
低力率誤差 力率誤差の影響 0.07% of S*2
  (cosφ=0の時、φは電圧と電流の位相差)
温度範囲 23℃±5℃
電流レンジ  
● 直接入力 1 /2/5/10/20/50[A]*3
  10m/20m/50m/100m/200m/500m/1/2/5[A]*3
● 外部電流センサー入力 50m/100m/200m/500m/1/2/5/10[V]*3
電圧レンジ 1.5/3/6/10/15/30/60/100/150/300/600/1000[V]*3
データ更新周期 50m/100m/200m/500m/1/2/5/10/20[s]、Auto
有効入力範囲 1%~110%*3
*1:レンジ等の条件があります。詳細については仕様の項をご参照ください。
*2:Sは皮相電力の読み値
*3:クレストファクタ―CF3のとき
 

高精度、高安定度を示す基本特性(例)

確度(% of reading)

周波数―電力確度の特性例(cosφ=1のときの電力)

コモン・モード電圧による指示値への影響の特性例

コモン・モード電圧による指示値への影響の特性例

任意の力率時の電力総合誤差

任意の力率時の電力総合誤差

ゼロ力率時の周波数

ゼロ力率時の周波数ー電力確度の特性例

 

アプリケーション事例

インバータ&モーター入出力効率測定

WT1800Eは最大6系統の電力の測定ができるので、1台でインバータ入出力間の効率試験が可能です。
さらにモーター評価機能(/MTRオプション)を使用することで、電圧、電流、電力に加え、モーターの回転速度、トルク、 機械的出力の変化も同時に観測できます。電源入力からモーター出力までのトータル効率を1台で測定可能です。

インバータ&モーター入出力効率測定

 

5MHz帯域(電圧、電流)※、2MS/sの高速サンプリング

電力計測での縦軸分解能は高精度測定における重要な要素の1つです。
WT1800Eでは、16ビット高分解能、約2MS/sを実現し、高速な信号でも、より高精度な測定ができます。
※−3dB、Typical値

高速サンプリング

 

昇圧コンバータ効率とインバータ効率評価が可能

昇圧コンバータを含むインバータの入出力評価では、少なくとも5入力以上の電力測定入力が必要です。
WT1800Eは6入力を装備できるので、インバータ機器を総合的に評価できます。
また、個別NULL機能を使って特定の入力チャネルだけDCオフセットをNULL値として除去できます。
これにより、より高精度な測定ができます。

昇圧コンバータ効率

 

デルタ演算機能 (スター―デルタ変換、差動演算)

各エレメントの電圧や電流の瞬時測定値(サンプリングデータ)から、差動電圧や線間電圧、相電圧などを求めることができます。

差動電圧、電流
 三相3線結線のとき、2つのエレメントの間の差動電圧、差動電流を演算
線間電圧/相電流
 三相3線結線のとき、測定していない線間電圧と相電流を演算(図1)
スター―デルタ変換
 三相4線結線のデータを使って、相電圧から線間電圧を演算
デルタ―スター変換
 三相3線結線(3V3A結線)のとき、線間電圧から相電圧を演算(図2)

線間電圧/相電流

図1 線間電圧/相電流

デルタ―スター変換

図2 デルタ―スター変換

 

モーターの電気角/回転方向測定が可能 (/MTRオプション、/G5または/G6オプション)

モーター評価機能(/MTR)により、回転センサー信号とトルクメーター信号から、モーターの回転速度、トルクおよびモーター出力(メカニカルパワー)を測定できます。
回転センサーやトルクメーターから入力する信号は、アナログ信号(直流電圧)またはパルス信号から選択できます。
また、A相、B相、Z相入力端子の搭載により、A相、B相を使うことでモーターの回転方向を検出でき、さらにZ相信号を使って電気角*を測定できます。
*電気角測定には、/G5または/G6オプションが必要。
※トルクセンサーおよび回転センサーは別途ご用意ください。

モーターの電気角

 

2系統同時の高調波測定 (/G6オプション)

通常の機種では高調波測定の対象は1系統ですが、WT1800Eは1台で2系統の同時高調波測定ができます。
入力信号と出力信号を同時に高調波測定できるので、切り替え時間の短縮に加えて、今まで不可能だった入出力間同時のデータ解析が可能です。

2系統同時の高調波測定

下記のいずれも最大500次まで測定できます。
1系統の高調波測定(/G5オプション)
2系統の高調波測定(/G6オプション)
(データ更新周期がAutoのときを除く)

 

高周波成分に埋もれたオリジナル信号を捉える ラインフィルター

インバータ波形やひずみ波形などの電力評価では高周波成分で測定値に影響がでます。
ディジタルフィルター機能を使えば、信号に重畳した不要な高周波成分を除去できます。
フィルターは各入力エレメントごとに独立に設定できます。アナログフィルター1MHz、300kHzと、100Hz~100kHzまでを 100Hz刻みで設定できるディジタルフィルターを標準装備しています。

ラインフィルター

 

1kHz基本波でも255次成分まで測定 (/G5、/G6オプション)

基本波周波数が400Hzでは、最大500次の高調波測定ができます。
また、1kHzにおいても255次までの高調波測定ができます。
高次の高調波測定が必要な航空機の試験で要求される150kHzまでの高調波測定にも対応しています。

測定対象に柔軟に対応したデータ更新 測定対象に柔軟に対応したデータ更新

 

msオーダーにて応答可能な高速データ収集機能

WTシリーズでは、最速50msのデータ更新周期でデータ収集ができますが、モーターの電流あるいは電力の過渡現象測定において、さらに高速で現象を捉えるケースが増えてきました。
高速データ収集機能は、直流信号、あるいは三相信号のΣUrms、ΣIrms、ΣPなどを、msオーダーごとにデータ収集ができます。
本機能では、数値表示の不要なふらつきを抑えるためにローパスフィルター(HSフィルター)を備えています。カットオフ周波数を1Hzから1kHzで設定できます。

高速データ収集機能

三相電流での測定データ例
(赤点は5ms間隔のデータ測定例)

高速データ収集機能

数値計算ソフトを用いたグラフ表示の例

 

太陽光発電など新エネルギー分野での発電─変換効率測定

太陽光発電、風力発電で発電されたエネルギーは、パワーコンディショナ内部で直流から交流に変換されます。
また、蓄電池への充電制御装置で電圧値が変換されます。これらの変換ロスを最小限にすることがエネルギー系統全体の高効率化につながります。
WT1800Eは1台で最大6チャネルの電力入力を搭載できるため、各変換器前後の電圧、電流、電力、周波数(交流の場合)や、変換器効率、充電効率などを測定できます。

変換効率測定

 

最大1000V/50A×6系統を直接測定

電圧レンジ(1.5V~1000Vレンジ)と電流レンジ(10mA~5Aまたは1A~50Aレンジ)の直接入力端子を搭載しているので、電流センサーを使わずに高精度測定ができます。
また、パワーコンディショナ評価では、昇圧コンバータ、インバータ、蓄電池への入出力など、多チャネルの電力測定が必要です。
WT1800Eは最大6チャネルの電力入力ができるので、多点の電力を1台で同時に評価できます。さらに多チャネルの電力を評価する場合は、2台の同期測定もできます。

 

瞬時電力ピーク値の測定(MPPT測定)

太陽光発電では、取り出した電力が最大になるように、太陽電池が発生する電力を有効利用する制御(MPPT制御)が行われています。
WT1800Eは、電圧、電流、電力値とともに、電圧ピーク値、電流ピーク値(それぞれ+側、-側)を測定できます。
また、瞬時電力最大値(+側、-側)も測定できます。

MPPT測定

MPPT( Maximum Power Point Tracker)制御時の電圧、電流、電力測定例

 

売買電もしくは充放電による積算電力測定

系統連系における電力の売電量/買電量や、バッテリの充放電の量を電力積算機能を使って測定できます。
WT1800Eでは売買電、充放電モードでの積算ができる有効電力積算(WP)に加え、電流積算(q)、皮相電力積算(WS)*、無効電力積算(WQ)*の測定が可能です。
また、ユーザー定義ファンクションを使って積算区間内における平均有効電力を算出できます。電力値が大きく変動する間欠発振制御方式の機器の消費電力をより正確に測定できます。
*データ更新周期がAutoのときを除く。

 

異常判定時のトリガー測定(ユーザー定義イベント機能)

電圧変動、あるいは電流変動が設計時に想定した範囲内に入っているかを確認するには、イベントトリガー機能が便利です。
発電の正常レベル範囲を判定条件に設定することで、その範囲外のデータを測定したときをトリガーにして、メモリーにそのデータを保存できます。

異常判定時のトリガー測定

 

カスタム演算式によるリップル率、電力損失計算

ユーザー定義ファンクションを使って、変換効率の他に、入力出力間での電力損失 、電圧直流リップル率 、電流直流リップル率などを演算できます。
目的に合わせて係数を掛けたり、演算式を少しだけ変更できるので便利です。演算式は最大20個設定できます。
また、演算項目のF1、F2・・・の表示名を自由に変更できます。

測定対象に柔軟に対応したデータ更新
演算例
1. 電圧直流リップル率=
括弧_左
(電圧ピーク値(+)-電圧ピーク値(-))
     2×直流電圧値(平均値)
括弧_右 ×100
2.電力損失=出力電力-入力電力

 

入力信号に応じた適切なレンジに高速設定

特定の電圧、電流入力レンジ(有効測定レンジ)を選択できるレンジコンフィグ機能を搭載しました。不要なレンジを使わないことで当社従来機種*よりも高速な最適レンジ設定を実現し、より速く信号変動に追従できます。
また、ピークオーバー発生時には、あらかじめ設定したレンジに直接変更できるので、生産ラインで頻繁に繰り返される、OFF、100V、OFF のような繰り返し試験でのタクトタイム短縮に有効です。

高速設定
 
当社従来機種*の動作イメージ
*当社従来機種 WT1600との比較

 

効率変動を視覚的に捉えるトレンド表示

機器の効率評価をする場合、数値だけで微小な効率変化を確認することは分かり難い場合があります。
トレンド表示は、測定値や測定効率を時系列にトレンドデータとして表示できるので、微小な変化も視覚的に捉えられます。
数分間のトレンド、あるいは数日間のトレンドデータの確認ができます。

※ 画面のハードコピーでトレンド表示を保存できます。
 ストア機能で数値データを保存できます。

効率変動を視覚的に捉えるトレンド表示

 

WTViewerE 761941を利用した多チャネル同期測定

   

WTViewerE


WTシリーズの通信接続
ディジタルパワーメーター WT1800E

WT1800E / WT1800

矢印

イーサネット、USB、GPIB

WTViewerEは、WT1800E/WT1800をイーサネット/USB/GPIBで接続して、PC上でWTシリーズ本体の設定/制御、測定データのモニター/収集/解析/保存が容易に行えるアプリケーションソフトウェアです。
長期間にわたる製品の性能評価試験では、データロギングによる数値記録だけでは変化の様子が分かりづらく、効率的に必要なデータを探すことが困難です。
WTViewerEでは、測定期間の全てに渡り電力パラメータの数値、トレンドに加え電圧、電流の波形データを同時に取得し、その中から必要箇所を特定して数値と波形の状態を視覚的に確認するための便利な機能を用意しました。
また、複数台の電力計を使用した同期測定にも対応しています。

主な機能

  • 通信接続の自動検索機能(オートサーチ機能)
  • 最大4台までの電力計の接続と制御、同期測定
  • 各電力計の測定データを元に機種間の演算機能
  • 収集データのオフラインでの解析機能
  • 収集データ(数値、波形)の保存機能(バイナリファイル、CSVファイル)
  • マルチ言語対応
 
測定条件設定画面
測定条件設定画面
 
測定画面
測定画面

 

モデル間比較

モデル間比較

  WT1800E WT3000E WT500
レンジ 電力基本確度
(50/60Hz)
±(0.05% of reading+0.05% of range) ±(0.01% of reading+0.03% of range) ±(0.1% of reading+0.1% of range)
測定帯域 DC、0.1Hz~1MHz DC、0.1Hz~1MHz DC、0.5Hz~100kHz
入力エレメント数 1、2、3、4、5、6 1、2、3、4 1、2、3
電圧レンジ 1.5/3/6/10/15/30/60/100 /150/300/600/1000[V]
(クレストファクターCF3のとき)
750m/1.5/3/5/7.5/15/30/50 /75/150/300/500[V]
(クレストファクターCF6/CF6Aのとき)
15/30/60/100/150/300 /600/1000[V]
(クレストファクター3のとき)
7.5/15/30/50/75/150 /300/500[V]
(クレストファクター6のとき)
15/30/60/100/150/300 /600/1000[V]
(クレストファクター3のとき)
7.5/15/30/50/75/150 /300/500[V]
(クレストファクター6のとき)
電流レンジ 直接入力 10m/20m/50m/100m /200m/500m/1/2/5[A]
または、1/2/5/10/20/50[A] から選択
(クレストファクターCF3のとき)
5m/10m/25/m/50m/100m /250m/500m/1/2.5[A]
または、0.5/1/2.5/5/10/25[A]
(クレストファクターCF6/CF6Aのとき)
0.5/1/2/5/10/20/30[A]
または5m/10m/20m/50m /100m/200m/500m/1/2[ A]
(クレストファクター3のとき)
0.25/0.5/1/2.5/5/10/15[A]
または2.5/5m/10m/25m/50m
/100m/250m/500m/1[ A]
(クレストファクター6のとき)
0.5/1/2/5/10/20/40[A]
(クレストファクター3のとき)
0.25/0.5/1/2.5/5/10/15[A]
または2.5/5m/10m/25m/50m /100m/250m/500m/1[ A]
(クレストファクター6のとき)
外部電流センサー入力 50m/100m/250m/500m /1/2.5/5/10[V]
(クレストファクターCF3のとき)
25m/50m/125m/250m/500m /1.25/2.5/5[V]
(クレストファクターCF6/CF6Aのとき)
50m/100m/200m/500m /1/2/5/10[V]
(クレストファクター3のとき)
25m/50m/100m/250m /500m/1/2.5/5[V]
(クレストファクター6のとき)
50m/100m/200m/500m /1/2/5/10[V]
(クレストファクター3のとき)
25m/50m/100m/250m /500m/1/2.5/5[V]
(クレストファクター6のとき)
電圧、電流レンジの確度保証範囲 1%~110% 1%~130% 1%~110%
測定項目 ピークホールド
(瞬時最大値 ホールド)
MAXホールド
RMS/MEAN /AC/DC同時測定 (ユーザー定義ファンクション、 ASSP)
平均有効電力 (ユーザー定義ファンクション) (ユーザー定義ファンクション) (ユーザー定義ファンクション)
積算有効電力量 (WP)(Wh)
積算皮相電力量 (WS)(VAh)
積算無効電力量 (WQ)(varh)
周波数 搭載されているすべての入力 エレメントの電圧、電流 2チャネル(/FQオプション搭載時は最大8チャネル) 搭載されている入力エレメントの電圧または電流から2つ
(/FQオプション搭載時は 最大6チャネル)
相間の位相角 (基本波) (/G5、 /G6) (/G6) (/G5)
モーター評価 トルク、回転速度入力、電気角 (/MTR) トルク、回転速度入力(/MTR) ×
FFTスペクトラム 解析 × (/G6) ×
ユーザー定義ファンクション (20個) (20個) (8個)
表示分解 電圧、電流、電力 60000 600000 60000
電力量、電流量 999999 999999 999999
表示 ディスプレイ 8.4型TFTカラー液晶 8.4型TFTカラー液晶 5.7型TFTカラー液晶
サンプリング周波数 約2MS/s 約200kS/s 約100kS/s
測定機能 高調波測定 (/G5、 /G6) (/G6) (/G5)
通常測定モード時の高調波測定 (/G5、 /G6) (/G6) (/G5)
IEC規格対応高調波測定 × (50Hz-10波/60Hz-12波) ×
IEC規格対応フリッカ測定 × (/FL) ×
サイクルバイ サイクル測定 × ×
高速データ収集 × ×
補正機能 × ×
デルタ演算機能 (/DT)
D/A出力 20チャネル(/DA) 20チャネル(/DA) ×
ストア機能
(データストア用内部メモリー)
約32MB 約30MB 約20MB
その他 インタフェース USB、GP-IB、
イーサネット、
RGB出力(/V1)
GP-I B、
RS- 232(/C2)、
USB(/C12)、
VGA出力(/V1)、
イーサネット(/C7)
USB、
GP-IB(/C1)
イーサネット(/C7)、
VGA出力(/V1)
通常測定モード時の高調波測定 (/G5、 /G6) (/G6) (/G5)
通信コマンドの互換性 なし
(製品ごとに通信コマンドが異なります)
データ更新周期 50m/100m/200m /500m/1/2/5/ 10/20[S]、Auto 50m/100m/250m /500m/1/2/5/ 10/20[S] 50m/100m/250m/500m /1/2/5/10/20[S]
対応メディア USB PCカード USB(/C5) USB
プリンタ 内蔵プリンタ(前面)(/B5) 内蔵プリンタ(前面)(/B5) ×
電流センサー用電源 (/PD2) × ×

一部の仕様、及び機能には制限があります。詳細につきましては各製品のカタログにてご確認ください。は標準、はオプション

 

【測定】


電圧・電流の最大入力は?


電圧、電流のレンジは実効値レンジですか?


電流外部センサ入力用端子の形状は?


電流入力と電流センサ入力端子を同時に使うことができますか?


電流センサ入力は標準ですか?オプションですか?


入力エレメントの増設は可能ですか?


入出力の効率演算の表示は可能ですか?


RMSとMEANを同時に見られますか?

 

【表示】


波形表示のときの表示更新周期は?


TFTカラー液晶の表示画素数は?

 

【ストア】


内部メモリはありますか?


リコール機能はありますか?

 

【通信】


通信機能は何がありますか? また、それは標準ですか。オプションですか。


WT1600の通信コマンドはそのまま使えますか?

 

【高調波】


高調波は最大何次まで測定できますか?


高調波の出来るチャネル数は最大いくつですか?


高調波測定のモード切替はありますか?

 

【その他】


モータ評価機能(回転速度、トルク信号入力端子)はありますか?

 

BNCケーブル 366924

BNC-BNC(1m)
42V以下の低電圧回路にてご使用ください
販売単位:1
価格 ¥3,000 (税抜)

BNCケーブル 366925

BNC-BNC(2m)
42V以下の低電圧回路にてご使用ください
販売単位:1
価格 ¥4,000 (税抜)

安全BNCケーブル 701902/701903

701902:1000Vrms-CATII(BNC-BNC)、1m
販売単位:1
価格 ¥5,000 (税抜)
 
701903:1000Vrms-CATII(BNC-BNC)、2m
販売単位:1
価格 ¥6,000 (税抜)

A1559WL, A1560WL 電流センサ用ケーブル

A1559WL:ケーブル長3m
販売単位:1
価格 ¥25,000 (税抜)
 
A1560WL:ケーブル長5m
販売単位:1
価格 ¥25,000 (税抜)

電流センサー直接接続ケーブル A1589WL

ケーブル長3m、負荷抵抗2.7Ω
販売単位:1
価格 ¥30,000 (税抜)

電流センサー直接接続ケーブル A1628WL

ケーブル長5m、負荷抵抗無し
販売単位:1
価格 ¥30,000 (税抜)

外部センサー用ケーブル B9284LK

外部入力接続用ケーブル、50cm、水色
販売単位:1
価格 ¥4,000 (税抜)

電流センサユニット 751522/751524

センサーと電源を一体化し、筐体や配線の最適化設計により優れた耐ノイズ性と高精度測定を実現したセンサーユニット
定格電流 1000Apeak 測定帯域(-3dB) 100kHz

測定リードセット 758917

1000Vrms-CATⅡ、0.75m、安全端子(バナナ オス)‐安全端子(バナナ オス)赤黒2本セット
701959、758921、758922、758929などと組合せて使用
販売単位:1
価格 ¥5,500 (税抜)

フォーク端子アダプタセット 758921

1000Vrms-CATII、赤黒2ヶセット、フォーク端子4mm-バナナ端子(メス)変換
販売単位:1
価格 ¥2,800 (税抜)

ワニグチアダプタ(小)758922

定格300V、300Vrms-CATII、赤黒2ヶセット、安全端子(バナナ メス)-ワニグチ変換
販売単位:1
価格 ¥2,200 (税抜)

安全端子アダプタセット 758923

バネ押さえタイプ(バナナ オス)、赤黒2ヶセット
販売単位:1
価格 ¥2,800 (税抜)

BNC変換アダプタ 758924

500Vrms-CATII、安全端子(バナナ メス)-BNC(オス)変換
販売単位:1
価格 ¥6,600 (税抜)

ワニグチアダプタ(大)758929

定格1000V、1000Vrms-CATII、赤黒2ヶセット、安全端子(バナナ メス)‐ワニグチ変換
販売単位:1
価格 ¥3,500 (税抜)

安全端子アダプタセット 758931

ネジ締めタイプ(バナナ オス)、赤黒2ヶセット
ケーブル固定用1.5mm六角レンチ(B9317WD)付
販売単位:1
価格 ¥2,000 (税抜)

A1323EZ, A1324EZ, A1325EZ シャント抵抗BOX

A1323EZ:5Ω、±0.05%
販売単位:1
価格 ¥40,000 (税抜)
 
A1324EZ:10Ω、±0.02%
販売単位:1
価格 ¥40,000 (税抜)
 
A1325EZ:20Ω、±0.02%
販売単位:1
価格 ¥40,000 (税抜)

B8200JQ用ネジ B8200GD

No.4-40 UNC、長さ:3/16inch
販売単位:8
価格 ¥1,200 (税抜)

出力コネクタ B8200JQ

D-SUB 9ピン(コネクタ側はメス) ネジ2ヶ付
販売単位:1
価格 ¥1,000 (税抜)

負荷抵抗 B8200JR

10Ω/0.25W(4個入り)並列で2.5Ω使用
販売単位:1
価格 ¥2,000 (税抜)

プリンタ用ロール紙 B9316FX

感熱紙、10m
販売単位:10
価格 ¥700×10(税抜)

AC/DC電流センサー CT2000A/ CT1000A/ CT1000/ CT200/ CT60

CTシリーズはそれら電力・効率測定の可能性を広げ、大電流の動作環境下での評価を可能にする電流センサーです。

ラックマウント用キット 751535-E4

EIA単装用
販売単位:1
価格¥15,000(税抜)

ラックマウント用キット 751535-J4

JIS単装用
販売単位:1
価格¥15,000(税抜)

ラックマウント用キット 751535-E5

EIA単装用、/PD2オプション付モデル
販売単位:1
価格 ¥15,000 (税抜)

ラックマウント用キット 751535-J5

JIS単装、/PD2オプション付モデル
販売単位:1
価格 ¥15,000 (税抜)
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概要:
モータ・インバータの電力測定

 

最高クラスの高精度測定
(WT5000)

世界最高クラスの電力基本確度±0.03%による、高精度測定が可能。
高度な演算機能を搭載できるハイエンドモデル。

ワイドレンジ・多チャネル測定
(WT1800E)

最大6chまで搭載できる多チャネルで、1.5V~1000V、10mA~50Aのワイドレンジを搭載できる高機能モデル。

解析型電力計
(PX8000)

最速100MS/sサンプルレート&20MHz帯域で波形データ捕捉し、その後に過渡現象や電力パラメータを演算させる解析型電力計です。

※1 大電流測定には、AC/DC電流センサーCTシリーズをご使用ください。

AC/DC電流センサCTシリーズ
CT2000A CT1000 CT200 CT60
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業種:
概要:

近年、家電機器や産業用機器などの電子機器回路はインバータの普及により複雑になっており、多チャネル、広帯域、高精度な測定器の要望が高まってきている。特に、地球環境問題としてCO2排出量の削減は大きなテーマとなっており、エネルギー消費の削減は非常に重要であり、それらを確認するための電力計計測の需要は増えてきている。
そこで、電力を計測する電力計、あるいは電力計測の基礎について説明する。

1.電力技術の動向

パワーエレクトロニクス分野のインバータ制御技術は家電製品、輸送機器などあらゆる分野で活用されている。また、パワー半導体など代替エネルギー分野へのインバータ技術製品も近年増えてきている。2000年以降になると、高効率化の追求が進み、省エネルギーへの関心の高まりやエナジースター、国際的な高調波規格、フリッカ規格などを背景に、さらに最適制御・効率改善・低騒音化のためにさまざまな改良が加えられてきている。

2.電力計の用途

電力計はさまざまな機器の消費電力を測定する製品であり、製品開発、評価、品質保証などの局面で広く使用されている。また、IEC61000-3-2,IEC61000-3-3などの高調波規格、フリッカ規格などにより電力系統に繋がる機器の高調波ひずみの問題などがあり、電力計での高調波測定、高調波規格試験などが重要になってきている。従って、電力計では従来の電圧、電流、電力の一般的なパラメータだけでなく、波形品位の測定を行う機能も電力計に求められている。

3.電力の基礎

電力は大きく分けると、一般家庭に普及している単相電力と、工場など産業用で使用される三相電力があり、三相電力は交流信号でかつ信号ラインが3本あるのでやや難しくなる。したがって、電力を理解するには、まずその物理的意味を把握した上で測定することが重要である。

3.1電力の基礎

一般に有効電力(以下電力)は電圧と電流の瞬時値(各々e(t)、i(t))の積である瞬時電力を積分し、1周期Tで平均したものである。

  式1

 上式において、電圧、電流が正弦波の場合には次のように表される。

   式2

ここで、Pはe(t)の実効値、Iはi(t)の実効値、φはe(t)、i(t)の位相差である。

この式は、電力を演算するために、電圧実効値と電流実効値、および電圧と電流の間の位相差φのパラメータcosΦを含んでいることを示している。このcosΦは力率である。従って、理想的なトランス、キャパシタ等の負荷の場合には力率が0に等しくなり、電圧と電流が0でない場合でも、電力が0に近い力率ゼロの状態となる。つまり、電力計としては位相の影響が重要な要素であることがわかる電圧、電流がひずみ波の場合の電力は、理想的には次のような式になる。

 式3

ここで、E0, I0は直流成分、Ek, Ik, φkはひずみ波成分(高調波成分)

この数式の意味は、任意の波形の電力が“同じ周波数成分をもつ電圧と電流でつくられる電力の総和”であることを示し、“異なる周波数成分は互いに独立しており電力とはならない”ことを意味する。従って、電力は電圧、電流のいずれか低い方の周波数帯域で制限されることがわかる。

3.2電力測定技術の変遷

従来、電力計は商用電源から供給される機器の消費電力の測定向けに指示計器が広く用いられてきた。この指示計器の原理は、コイルに流れる電流によって生じる磁束の力を利用して、電圧と電流の積を求める簡単な構造であった。1990年代、電子回路によるアナログ演算回路により電力値を求めディジタル表示するディジタル電力計が登場したが、2000年以降は、ディジタルオシロスコープの技術を応用したディジタルサンプリングにより電力値を求める製品が発売された。ディジタルサンプリング方式の電力計は、電圧実効値、電流実効値、電力(三相の場合は各相の値や三相電力)だけでなく、位相角、力率、電力積算値、電流積算値、周波数など同時に多くのパラメータを測定できる。また、規格に対応した高調波、フリッカ測定などができる機種(WT3000)などもあり、また、大型のカラー表示を採用する電力計も普及してきた。

プレシジョンパワーアナライザ WT3000

プレシジョンパワーアナライザ WT1800

ディジタルサンプリング方式の電力計
プレシジョンパワーアナライザ WT3000(左)とプレシジョンパワーアナライザ WT1800(右)

4.電力計の原理と使い方

4.1電力計の原理と内部構造

ディジタルサンプリング方式の電力計内部の演算方法は3項にて説明しているが、ディジタルサンプリング方式を採用しているため、以下のように近似できる。

 式4

サンプリング間隔Δtの瞬時電力が1周期分の区間分すべてを加算(総和)し、その周期Tで平均する。
そして、このサンプリングの間隔Δtが小さくなればなるほど演算としてはより正確になる。
電力計の内部構造は入力電圧・電流の波形が入力回路内にてディジタル値に変換される。それらのデータはDSPまたはCPUなどの演算回路にて演算を実施する。一方、旧方式であるアナログ演算式の電力計の場合には、瞬時電力の演算部分をアナログスイッチ回路により実現している。この方法は時分割掛算法と呼び、電圧(または電流)の入力レベルに比例する周期一定のパルス幅変調波形を作成し、電流(または電圧)入力波形をそのパルス波形に重畳させることで電圧波形と電流波形の積を演算している。
現実的には、利用するパルスの周期を先のディジタルサンプリング周波数と同レベルに設計して周波数応答性を確保しようとするが、この掛算回路での瞬時電力データをさらにをアナログのフィルタ回路を用いて平均化して電力値を得るために、ディジタルサンプリング方式よりも応答性が悪い。

4.2電力計の使用上の注意

測定値が正しくない場合、結線が間違っているケースが意外に多い。
従って、結線は十分注意する必要がある。

■ 単相電力
単相電力を測定するときには、電圧は負荷対して並列に、電流は直列に接続する。結線時は取扱説明書に配線例が記載されているのでこれを参考に結線すると良い。

単相電力結線図

■ 三相電力
三相3線の電力は、3台の電力計を用いて測定できるが、電力計を2台使用してその和から求めることもできる。これは2電力計法と呼ばれ、ブロンデルの定理"多相の電力は送っている電線の数がn本の時、n-1台の電力計で測定することができる"にて証明される。

三相電力結線図

特に、3つの相の電圧、電流全てを測定する必要がある場合には、三相3線の3電圧、3電流測定(2電力計法)を用いる。

結線図

三相電力測定の結線の場合、電流については相電流を測定しているが、電圧は各相の間の線間電圧を測定している。したがって、各チャネルの電力値は位相の状態により異なった値を示す場合もある。また、低力率時の評価では電圧・電流間の位相差の関係から電力値が負(マイナス)になる場合もあるが理論的には正しいので、結線ミスではないことに注意したい。 また、ベクトル表示は三相の電圧、電流の位相の状態を簡単に把握できるので便利である。

キーワード

有効電力

負荷の純抵抗分で消費される電力エネルギーで、運動・熱・光エネルギーに変換されて外部に対して仕事を行う電力値を意味する。電力の定義式に示されるように、瞬時の電圧値と電流値の積を平均して求まる。
これに対して、電圧の実効値と電流の実効値との積を皮相電力、また皮相電力と有効電力間の次式の関係からも求まる値を無効電力という。

式:無効電力

力率

入力波形が正弦波の場合、電圧・電流間の位相差をΦとしたときcosΦを力率と言う。
皮相電力に対する有効電力の比で示すこともできる。この場合は、入力されたエネルギーに対して仕事に変換されたエネルギーの比率を意味する。

力率誤差

電力計を用いて電力を求める場合、入力された電圧・電流波形間の位相差の他に、電力計側で生じる電圧・電流間の位相のズレによって起こる誤差を示す(図Aを参照)。
実際には、電圧・電流の各々の入力アナログ回路の入・出力間での位相遅れ(波形の遅れ)に起因し、その遅れの度合いが電圧・電流間各々の入力回路間でズレているために、あたかも入力の位相差が最初から大きくズレているように表示される。
位相遅れの特性は入力周波数に大きく依存するため、電力計にはより広い周波数帯域が求められる。さらに、力率の定義式からも明らかなように、入力波形での位相差が大きく90度に近い状態(力率が悪い)ほど、その影饗が大きくなる。

力率誤差

計器損失

測定器によって消費される電力値のことを意味する。
この値が小さいほど測定系に与える影響が少なく、誤差も小さくなる。一般には電圧側は入力抵抗値で表し、大きいほど望ましく、電流側は入力抵抗値またはその抵抗で消費されるVA値で表すが、小さいほど望ましい。

PT・CT比

PT(Potential Transformer)は変圧器を意味し、l次と2次の巻線比で1次電圧を2次電圧に正確にまた安全に変換する。CT(Current Transformer)は同様に変流器を意味する。
これらの変換器を用いることで.高電圧、大電流を測定し易い値に変換できる。PT比・CT比は使用される変換器のl次と2次の巻線比を示し、その値を測定器に入力することで、PT・CTを介す前の入力値への換算が自動的に計算され、直読が可能となる

クレストファクタ

波高率とも言う。実効値に対する波高値の比を示す。
電力計等の交流波形の測定器では、内部回路のダイナミックレンジを意味していて、この値が大きいほど、ひずみの大きい波形の測定が可能となる。

CMRR

Common Mode Rejection Ratio入力信号源と測定器の接地(アース)間に発生する電圧(コモンモード電圧)によって出力にあらわれる影響をどの程度除去できるかを示す数値。
一般にはdBもしくは% of rangeにて表現される。
図Bに示すように、入力信号源の一端と測定器内の増幅器のアース間にコモンモード電圧Ecmがあるとき、このコモンモード電圧により測定器の対接地インピーダンスを通じて電流が流れ、入力端子間にノーマルモードの電圧Enとなって現れる。この値が増幅され出力に誤差分に生じさせる。

CMRR

電力校正体系

400Hz以下の電力測定については、国家標準が確立していて標準電力変換器を通じてトレーサビリティが確保されている。
しかし、それ以上の測定帯域を持つ機種は国家より直接標準電力の供給が受けられないため、電圧・電流・位相の各国家標準より理論的に電力標準値を求めて校正している(図C)。

電力校正体系


※日刊工業新聞社「電子技術」誌  1995年9月号掲載より一部引用

概要:

1.概要

地球温暖化は、毎日消費するエネルギーと密接な関係にあります。とくに近年は、長時間スイッチを入れた状態になりがちなオフィス機器のエネルギー消費が問題になっています。
「国際エネルギースタープログラム」は、これらの機器の消費電力を削減するために生まれた制度です。
国際エネルギースタープログラムは、1995年10月から日米両政府の合意のもとに実施されています。EU、カナダ、オーストラリア、台湾など世界7カ国で実施されているオフィス機器の国際省エネルギー制度です。
コンピュータ、ディスプレイおよびプリンター、スキャナ、ファクシミリ等の画像機器が対象になります。
製品の稼動、スリープ、オフ時の消費電力などについて、省エネ性能の優れた上位25%の製品が適合するように基準が設定されて、この基準を満たす製品にロゴの使用が認められます。

このプログラムでは、機器の種類によって試験方法および測定器の性能を細かく規定しています。また省エネを実現した機器では稼動状態とスリープ状態の消費電力の差が激しく測定が難しくなるため、測定器の使用方法および選別には注意が必要です。

2.エネルギースター対象機器の試験条件

対象機器によって適合基準と試験方法が決められています。

 2.1.コンピュータおよびディスプレイ
消費電力と低消費電力モードへの移行時間が決められています。

■ コンピュータ

  • 消費電力
    アイドル時、スリー-プ時およびオフ時消費電力(W)
  • スリープまたはオフモードへの移行時間
    コンピュータが無動作状態になってから15分以内(ディスプレイ)、30分以内(コンピュータ)

■ ディスプレイ

  • 消費電力
    稼働時、スリープ時およびオフ時消費電力(W)
  • スリープまたはオフモードへの移行時間
    ディスプレイが無動作状態になってから30分以内

 2.2.画像機器
機器の種類によって試験手順と適合基準が決められています。

2.2.1.Typical Electricity Consumption (TEC)試験手順

● 対象機器
 電子写真(EP)や固体インク(SI)などの技術を使用する標準サイズの画像機器(IE)製品
  (複写機、デジタル印刷機、ファクシミリ、複合機(MFD)、プリンターなど)

● 判定基準
 概念的1週間の消費電力量を基準とします。
 1日の稼動状態を以下のように規定しています。

TEC測定で規定する1日の稼動状態

図1:TEC測定で規定する1日の稼動状態

 1回の測定での消費電力は以下の手順で測定します。

TEC測定の手順

図2:TEC測定の手順

 測定結果を元に1日あたりのジョブに必要な消費電力量を算出します。

 ジョブに必要な平均消費電力量
     =(ジョブ2+ジョブ3+ジョブ4)/3

 1日あたりのジョブに必要な消費電力量
     =(ジョブ1×2)+[(1日あたりのジョブ数-2)×ジョブに必要な平均消費電力量)]

 TECは対象機器のよって計算方法が2通りあります。

● プリンタ, プリント機能付きデジタル印刷機, プリント機能付き複合機, およびファクシミリの場合

 1日あたりのスリープ時の消費電力量
     =[24時間-((1日あたりのジョブ数/4)+(最終時間×2))] ×スリープ時の消費電力

 1日あたりの消費電力量
    =1日あたりのジョブに必要な消費電力量+(2×最終時の消費電力量)
      +1日あたりのスリープ時の消費電力量

 TEC = (1日あたりの消費電力量×5)+(スリープ時の消費電力×48)

● 複写機, デジタル印刷機, プリント機能の無い複合機の場合

 1日あたりの自動オフ時の消費電力量
    =[24時間-((1日あたりのジョブ数/4)+(最終時間×2))] ×自動オフ時の消費電力

 1日あたりの消費電力量
    =1日あたりのジョブに必要な消費電力量+(2×最終時の消費電力量)
       +1日あたりの自動オフ時の消費電力量

 TEC = (1日あたりの消費電力量×5)+(自動オフ時の消費電力×48)

2.2.2.Operational Mode (OM)試験手順

以下対象機器に含まれる画像機器は、OM試験手順で決められた試験方法で
消費電力と低消費電力モードへの移行時間が評価されます。

● 対象機器
 インクジェット(IJ), ドットマトリックス, インパクト等のマーキング技術を使用する製品や
 スキャナ、すべての大判および小判機器
● 判定基準
 ・消費電力 : スリープ時および待機時の消費電力
 ・スリープ状態への移行時間 : 無動作状態になってから5~60分以内スリープ状態になること

Note : 参考文献
 “ENERGY STAR® Qualified Imaging Equipment Operational Mode (OM) Test Procedure”


 2.3.測定への要求事項

2.3.1.電源および周囲環境

・ 電源電圧
  北米/台湾 : 115V (±1%)  AC, 60 Hz (±1%)
  欧州/豪州/ニュージーランド : 230V(±1%) AC, 50 Hz (±1%)
  日本 : 100 V(±1%) AC, 50 Hz (±1%)/60 Hz (±1%)
  注:最大消費電力が1.5kWを超える製品に対して、電圧範囲は±4%である。

・ 全高調波歪み (THD)(電圧)< 2% THD
 (最大消費電力が1.5kWを超える製品に対しては、<5% THD)

・ 周囲温度 : 23℃ ± 5℃
・ 相対湿度 : 10 - 80 %

2.3.2.電力計への要求事項

・ 有効電力測定帯域
  有効電力測定帯域 3 kHz以上
  SW方式の電源を内蔵した機器を考慮する。

・ 有効電力測定分解能

  P≦10W 0.01W
  10W<P≦100W 0.1W
  100W<P≦1500W 1W
  1.5kW<P 10W

・ 積算消費電力量の測定値は、平均消費電力に変換された場合に、これらの値と一致する分解能でなくてはならい。
・ 精度  0.5%以内
・ 校正  12ヶ月ごとに校正を実施しなければならない。

Note : 参考文献
 “TEST CONDITIONS AND EQUIPMENT FOR ENERGY STAR® IMAGING EQUIPMENT PRODUCTS”

3.エネルギースター対象機器向けの電力計

3.1.積算機能

コピー機のようなOA機器では、感熱工程、紙送り工程などで大きなエネルギーを消費します。
省エネルギー化を実現している機器では、必要時のみエネルギーを消費し、必要以外のエネルギーを削減することで省エネを実現しています。そのため、稼動状態を測定する場合でも変動の激しい測定となります。
測定器の測定値表示をモニターしても値の変動が激しいため、平均的な稼動状態の電力を測定するのは困難です。
このため電力計の積算機能を使って測定します。
積算電力を時間換算することで稼動状態の平均的な電力を得ることができます。
式
   Pavg:稼動区間の平均的な電力(W)
   WP:稼動区間の積算電力(Wh)
   Ti:稼働時間(積算時間)(h)

変動する対象の積算で重要なことは、測定ギャップの有無です。
測定器によっては、データ更新区間中に有効データ区間と、測定していない無効データ区間(測定ギャップ)が存在するものがあるので注意が必要です。
測定ギャップがあるとその区間の変動を測定できないため、正しい結果が得られなくなります。
横河電機が現在販売しているWTシリーズは、すべてNo Gapで積算値を測定するので、安心して使用いただけます。

変動測定対象と測定器の測定区間

図3 変動測定対象と測定器の測定区間

電力計によっては、測定ギャップが生じるものがあるので注意が必要です。
WTシリーズでも積算ではない通常測定ではギャップが生じます。
有効電力の測定データを収集してPCで積算演算するような処理をすると、WTシリーズ本体で積算した結果と異なることがありますので注意が必要です。
さらに、WTシリーズは豊富な演算機能により、積算区間内の平均電力をリアルタイムに表示できます。


3.2.確度

エネルギースター対象機器は電力測定では、測定精度0.5%以内という規定があります。
電力計の測定確度は読み値誤差とレンジ誤差で表現されます。
以下に測定器の設定と測定誤差についての例を示します。

条件例
  レンジ設定: 100V/1A レンジ
  電力計確度: 仕様 0.1% of reading + 0.05% of range
例1
  入力の条件: 100V,1A 力率1 有効電力 100W
  トータルの誤差:  
  100W×(0.1% of reading)+100Wレンジ×(0.05% of range)
    =0.1W+0.05W  =0.15W (0.15% of reading)
例2
  入力の条件: 100V,0.5A 力率1 有効電力 50W
  トータルの誤差 :  
  50W×(0.1% of reading)+100Wレンジ×(0.05% of range)
  =0.05W+0.05W =0.1W (0.2% of reading)

このように同じ測定レンジでも、測定レンジに対して入力が小さいときの方が測定誤差が悪くなることがわかります。 適正レンジで測定することが重要です。
機器の省エネ化、待機電力の削減が進むことにより、よりワイドな電流レンジが必要になってきます。
コンピュータやディスプレイ、OM 試験手順が適応される画像機器では、待機状態の微小電流を測定ことが多いため、最適な微小電流レンジを有する測定器が必要です。
変動の激しい測定を行うときにはレンジを固定にして、積算で測定を行います。このとき測定レンジはオーバーレンジにならないように、測定期間中の最大の値に合わせてレンジを設定します。
測定期間中に測定対象の消費電力が小さくなると、レンジに対して小さい入力になります。
この期間の測定は、測定精度が悪くなってしまいます。
以下に積算電力から平均電力を求めるときの測定誤差の考え方を示します。

変動する電力の誤差考察の例

図4 変動する電力の誤差考察の例

積算電力:100W×15/60+10W×135/60=25+22.5=47.5 (Wh)
平均電力:47.5 Wh/150×60 = 19 (W)
100Wレンジで19Wを測定したときの確度:
  電力計の仕様 0.1% of reading + 0.05% of range
  19W×0.1%+100W×0.05%=0.019W+0.05W=0.069W
  測定値 19Wに対して 0.36%

一般的に、レンジに対して測定入力が小さい区間が多いほど測定誤差が大きくなります。
仮に積算中にレンジを変更できたとしても、レンジ変更には時間がかかり測定ギャップができてしまいます。変動が激しい測定をしていると、レンジが頻繁に変更されて、かえって誤差が大きくなってしまう可能性もあります。
TEC試験手順が適応される画像機器では、固定レンジでダイナミックレンジの広い測定を行うことになりますので、レンジ誤差の小さい測定器を選択することが重要になります。
測定器のレンジ誤差を左右するのは測定回路の直線性の性能です。
現在発売している横河電機の電力計は、すべてディジタルサンプリング方式を採用しているため、アナログ掛け算方式など他の方式の電力計に比べて優れた直線性を示します。
また、測定器によっては、電力測定値が小さいときには測定値を強制的にゼロにしてしまい電力値が測定できない測定器もありますので注意が必要です。

3.3.横河電機の測定器と要求事項との比較

横河電機の測定器と要求事項との比較

4.まとめ

エネルギースター対象機器の適合試験についてと、測定器に求められる性能について説明しました。
エネルギースター対象機器の測定における横河のWTシリーズの優位性は、以下のとおりです。

  • ディジタルサンプリング方式による優れた直線性
    測定レンジに対して小さい入力でも高精度な測定値を示します。
  • ギャップのない積算機能
    測定ギャップのない積算により変動の激しい測定対象の正確な積算値を得ることができます。
    さらに演算機能により積算区間内の平均電力をリアルタイムに表示できます。

その優れた直線性とワイドレンジで、デジタルパワーメータ WT1600が日本国内の画像機器業界各社で多く
採用されています。

また横河電機は世界最高精度の電力測定精度に加えて、高調波電流およびフリッカ等の低周波EMCに関する最新の規格試験に対応するフラグシップ製品のプレシジョンパワーアナライザWT3000を提供しており、
より高い要求に対応しています。

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