携帯電話やインターネットの普及により、増大する通信トラフィックを支えるため光ファイバーネットワークは、その重要度を高めています。 光ファイバーネットワークの敷設、および保守には、高品質な測定結果と高い信頼性に加え、高い生産性と作業性の良い測定器が求められています。 当社は、計測器メーカーとして光ファイバー通信黎明期からの測定技術と、長年培ってきた実際のラボ/フィールドテストでの測定ソリューションの経験をもとにOTDR(光パルス測定器)を提供しています。
従来機種と比べて、エネルギー、CO2、NOx、SOx を約18%~33%%削減 |
YOKOGAWAのAQ7280 OTDRは、コアネットワークからFTTHまで幅広い光ネットワークに対応し、敷設や保守作業を行う現場の技術者が必要とする試験・計測の多様なニーズを満たします。
堅牢な設計で、過酷な現場条件でも高い信頼性と安定した動作で、確かな測定結果を提供します。また大容量のバッテリは、通常使用で15時間動作し、一日の作業を通じて電池切れの心配がありません。
ロータリーエンコーダとハードウェアキーによる従来の操作系を継承し、加えてマルチタッチスクリーンにより直感的に操作できます。またフィールド作業を効率よく行うための作業支援機能も充実しています。
電源投入から10秒以内で起動し使用可能になるため作業を待たされることがありません。多数の測定支援機能は、作業手順を改善し工数の削減に貢献します。
- 本体
- OTDR ユニット
- OPM/VLSモジュール
マルチタッチ対応の8.4型の大型LCDは、スマートフォンのような直感的な操作とショートカットを利用し効率よく作業できます。画面上のメニューや設定表示をスライドさせ波形表示エリアを拡大できるため、局内などで床上にOTDRを置いて測定している場合でも立ったまま容易に波形を確認できます。
また、OTDRとして洗練されたハードウェアキーによる既存の操作系も継承しています。
一回の操作で自動的に複数回の測定を行い、測定結果を合成してネットワーク上のイベントをアイコン図形でマップ表示します。波形表示ではなくマップ表示のため、熟練作業者でなくても複雑な線路の構成を容易に理解することができ、しきい値を設定することで測定結果の合否を自動判定することもできます。
また、マップ表示の基となる複数の測定波形を確認することもできます。
※本機能を利用するためにはAQ7280本体の/SMPオプションが必要です。
多心ファイバーの測定前に、心線の測定条件をテーブル化したプロジェクトファイルを作成します。測定時には、OTDR測定/LOSS測定/ファイバー端面画像をテーブル化されたプロジェクトファイルの心線番号に保存することができます。心線番号の選択を自由に行えるので測定順序を選びません。
測定終了した心線番号にはチェックマークが付き、測定ずみの心線番号を選択すると保存されたデータを簡単にプレビュー画面で確認することができます。これにより測定ミスや確認もれをなくし、現場での作業時間を大幅に短縮できます。
また、AQ7932 OTDRエミュレーションソフトウェアの多心ファイバー測定エディタを使用するとPC上でプロジェクトファイルを簡単に作成できます。
OTDR、光パワーメータ、可視光源、光ファイバー検査プローブ等の複数の機能を同時に使用することができます。OTDR測定中に別の光ファイバーの光パワーを測定したり、次の測定ファイバーの端面状態を確認でき、測定待ち時間の無駄がなくなり作業効率が上がります。
電源投入から10秒以内で起動します。これにより、現場に到着後すばやく測定を開始できます。また、OTDRユニット/OPMモジュールの交換による再起動でもロスタイムが最小限に抑えられます。
USBタイプBまたはイーサネット*1インタフェースを使ってPCからOTDRをリモートコントロールできます。
リモートコントロールソフト*2を使用するとPC上にAQ7280と同じ操作画面が表示され、PCからAQ7280をリアルタイムに操作できます。
また、AQ7275やAQ1200 OTDRと共通のリモートコマンドを使用しているため、過去に作成された測定プログラムなどの資産がそのまま*3利用できます。
*1 AQ7280本体の/LANオプションが必要です。
*2 Windows対応フリーソフト
*3 モデルにより機能が異なるため修正が必要な場合があります。
標準内蔵メモリーには1000ファイル以上の測定データを保存することができます。
保存されたデータは、USBコネクタに接続したUSBメモリーにコピーをしたり、USBストレージ機能やイーサネットインタフェース*1を使用して直接PCにコピーすることができます。
また、内蔵のSDカードスロットにSDカード*2を装着してメモリー容量を拡張することができます。無線LAN機能付のSDカード*3を使用すればスマートフォンやタブレットの3G/LTE回線を利用したデータ転送を行えます。
*1 AQ7280本体の/LANオプションが必要です。
*2 SDHCに対応しています。
*3 動作確認機種:東芝製FlashAir™(ただし、動作確認機種のキオクシア製FlashAir™生産終了により、本機能を利用できない場合があります。)
大容量のリチウムイオンバッテリを搭載しています。通常使用*で15時間、連続測定で10時間動作するため、AC電源のない現場でも終日作業ができます。
*Telcordia GR-196-CORE Issue 2
脱着可能なOTDRユニットを13種類、OPM/VLSモジュールを5種類を用意しました。お客様の用途に最適な組み合わせを選択いただけます。また、必要に応じてOTDRユニットやOPM/VLSモジュールを追加購入して機能アップできます。
ユニットの脱着ネジはコイン等で回すことができ、専用工具を必要とせず現場でも簡単に交換することができます。
光ファイバー端面の状態は測定結果に大きく影響を与えます。USBポートに接続する光ファイバー検査プローブを利用して光コネクタ端面の傷や汚れを目視確認することができます。また画像ファイルを保存することができます。
ファイバー端面検査機能*¹は、ファイバー検査プローブ*²により取得したファイバー端面データを自動的に画像解析し、キズや汚れ具合の閾値*³に基づき合否判定を行いまます。
*1 本機能を利用するためにはAQ7280本体の/FSTオプションが必要です。
*2 ファイバー検査プローブ(Lightel社製 DI-1000-B2, DI-2000-B2)が必要です。
*3 合否判定基準は、IEC61300-3-35準拠、または任意に設定した条件で行えます。
現在表示されている測定波形や、保存された測定データファイルをもとに、測定条件、波形出力や測定結果などを選択し、報告書をPDF出力することができます。
複数のレポートをまとめて一括作成するバッチ処理にも対応しています。
同時にデータ転送を利用すると、作業現場から事務所に戻ることなく工事完了報告まで行えます。
波長によるの減衰特性の違いをもとに光ファイバーの曲げを自動検出します。工事終了後に収納した光ファイバーやクロージャーの閉じ込みなどで、光ファイバーフォームに無理がかかっていないかを確認することができます。
光ファイバーの接続作業の完了を、画面に現れるメッセージとブザーの音で知らせます。作業中に画面を見続ける必要がなく、別作業を行えるため、時間を有効に使えます。
簡単スピーディーに破断点探索ができます。測定する光ファイバーの接続形態を選択して測定をスタートすると、自動的に光ファイバーの破断点を検出し、破断点までの距離を見やすく表示します。さらに詳しい解析を行いたい場合にはワンボタンでOTDRモードへ切り替えることができます。
極まれに発生する再現性の低い光ファイバー回線障害を発見するため、設定した周期で自動的にOTDR測定を行います。測定結果は常に保存されロギング画面に損失の変化が表示されます。
しきい値を超えたデータは測定時間が記録され、測定周期の合間にプレビュー画面で確認することができます。測定期間を終え保存された多数のデータは、フリーソフトのリモートコントローラに付属するツールを利用し、PC上で効率的に時系列変化を解析することができます。
また、しきい値を超えたデータを、OTDR エミュレーションソフトウェア AQ7933で解析することで不具合位置の特定と原因究明を支援します。
※本機能を利用するためにはAQ7280本体の/MNTオプションが必要です。
FTTH(Fiber To The Home)に適用されるPON(Passive Optical Network)システムには、複数の加入者に接続するための光スプリッタが使用されています。その光スプリッタの損失は分岐数が増えるにつれて大きくなるため、測定波形に大きな影響を与えます。
高SNR(HSN)モードは、多分岐光スプリッタの大きな損失直後でも高い波形品質を確保します。[PON]モードは、事前に判明しているPON線路の条件を、図で表された設定画面で選択するだけで、OTDRが被測定線路に適した設定値を自動的に選択するため、初心者でも素早く簡単に正しく測定できます。
また、光スプリッタの自動検出や合否判定が設定されたしきい値により行えるため、作業者のスキルに依存しない測定ができます。
128分岐を測定、パルス幅1um、HDRモードON
AQ3550光スイッチボックスはOTDRと連動して動作する12チャンネルのシングルモードファイバー用光スイッチです。制御と給電をOTDR本体から行います。12チャンネル全て、または、任意の複数チャンネルの連続測定ができるため、テープ心線などのケーブルを同条件で測定する際に役立つアイテムです。
※AQ7282Mとの組み合わせ利用はできません。
波形データを最大4波形まで重ねて表示し、比較することができます。
多心ファイバーの敷設後の接続点位置や損失の評価に有効です。
双方向から測定した2つの波形を合成し、正確な接続損失を求めます。
後方散乱光係数の異なる光ファイバーが接続された線路では、接続損失が測定方向によって異なる場合があります。
この場合、双方向から測定し、平均化することで正確に損失を測定できます。
指定した2つの波形の差を表示し、光ファイバーや接続点の経年変化や光ファイバーごとの損失のばらつきなどの確認ができます。
特定区間の反射減衰量(リターンロス)の総和を求めることができます。
光ファイバー網からの複数の反射光により、CATVや無線基地局などの伝送装置に影響を及ぼす場合があるため、この評価が要求されています。
光通信工事モデル |
光ファイバー研究・製造モデル |
*¹ 各エリア種別における、OTDRの最大のダイナミックレンジを示します。 |
AQ7282Aは、70km未満のネットワーク測定に適したモデルです。70km以上、かつ、64分岐以下のスプリッタが含まれるネットワークにはAQ7283Aがおすすめです。 AQ7284A・AQ7285Aは、100kmを超えるネットワークを測定対象とした高ダイナミックレンジモデルです。
パルス幅1μsのOTDR 波形例
現用光(通信光)に影響を与えない保守波長 1625または1650 nmを搭載し、これらのポートに現用光カットフィルターを内蔵しています。
AQ7283Eは、中心波長1625 nm ±10 nmを保証しており、使用波長範囲が限られる10GE-PONの保守に対応しています。
AQ7283Fは、最大出力パワー+15 dBm以下を保証し、出力パワーが制限される経路の保守測定を可能にします。
現用回線のOTDR 波形例
光コネクタを切り替えることなく、3波長以上の測定ができるモデルです。
AQ7283H・AQ7284Hは、短波長に比べ長波長で損失値が大きくなる曲げの検出に最適です。
1260 〜1625 nmの波長を使用するCWDM 伝送経路の試験にも役立ちます。
AQ7282G・AQ7283Kは、波長1490 nmの測定が必要とされるFTTHの敷設確認用にお使いいただけます。
曲げ(マクロベンディング)のOTDR波形例
全ての波長で中心波長±15 nmを保証しており、光ファイバー・ケーブル製造の厳しい光源要求を満たしています。
オプションにて、IEC 60793-1-40に準拠した中心波長±10 nmを指定することも可能です。
また、研究・製造用途に適した測定確度と再現性を担保しているので、安定した検査測定ができます。
タッチパネル付きLCD |
イーサネットポート* |
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ハードウェアキー |
可視光源ポート(VLSモジュール)* |
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OPM/VLSモジュール* |
光パワー測定ポート(OPMモジュール)* |
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バッテリパック(内部) |
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SD カードスロット(内部) |
OTDRユニット |
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DC電源コネクタ |
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OTDR/安定化光源*/パワーチェッカー*ポート |
OTDR ユニット(空冷ファン付き) |
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USBポートタイプB(ミニB) |
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USBポートタイプA |
*オプション |
AQ7280において、下記の他社製機器との組み合わせ動作が確認されています。
詳しくは各メーカーのサイトをご参照ください。
なお、各メーカーのサイトに掲載されている内容については、弊社が動作の保証をするものではありません。
メーカー | 製品名・型番 | 機能 | 対象製品 | ||
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端面表示 (標準装備) |
ファイバー端面検査機能 (本体オプション) |
AQ7280 | AQ1210 | ||
Lightel | DI-2000 | ● | ● | ● | ● |
Lightel | Dl-1000MPO+ | ● 単心・MPOコネクタ共に表示可能 |
● 単心コネクタのみ検査可能 |
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Lightel | DI-1000 | ● | ● | ● | ● |
Lightel | CI-1100 (生産中止) | ● | ー | ● | ● |
Eternal | FVO-730B-P | ● | ー | ● | ● |
YOKOGAWA OTDRの作業スピードを飛躍させる12チャ ネル光スイッチボックスです。
OTDRからの制御により、12チャネル全て、または、任意 の複数チャネルの連続測定が可能です。テープ心線などの 複数ファイバーを同条件で測定する際に役立つアイテムです。