光ファイバーケーブルの製造工程における製品評価では、ファイバー長や伝送損失をファイバーの末端にコネクタが付いていない未加工の状態で測定したいことがあります。OTDRの測定ポートはコネクタ接続のため、末端未処理のファイバーは直接OTDRに接続できません。そこで片端コネクタ付のランチファイバーとファイバー簡易突合器(いわゆるV溝)と呼ばれる接続器具を利用して末端未処理のファイバーをOTDRに接続し測定します。
光ファイバー簡易突合器(V溝) ・ ファイバーの太さに合わせて板にV型の溝を削ったもの ・ 2本のファイバーをV型の溝に沿わせて突合 ・ 反射を抑えるため突合点にマッチングオイル(屈折率調整剤)を塗布 ・ 多心ファイバー(テープファイバー)用の物も存在する ・ 外径合わせのため外径が異なるファイバーの突合はうまくいかない |
被測定ファイバーの総距離が短かったり厳密な測定を行いたい場合、ランチファイバーをダミーファイバーとして利用します。 ランチ(ダミー)ファイバー長は、OTDR波形上のファイバー簡易突合器の位置が、OTDRの近端デッドゾーンより外側(右側)にあり、イベントとして検出できるだけの長さが必要です。 OTDRの[ダミーファイバー設定]をONにして解析を行うと、突合部が[R]点、遠端が[E]点となり、ランチファイバー部分を除いた被測定ファイバー部分([R]-[E]間)のみを解析します。
AQ7280のダミーファイバーの設定 [SETUP] キーを押す [F1:詳細] [F3:解析設定] [ダミーファイバー設定] [ダミーファイバー位置] をチェック [開始位置] にランチファイバー長を入力 |
YOKOGAWAのAQ7280 OTDRは、コアネットワークからFTTHまで幅広い光ネットワークに対応し、敷設や保守作業を行う現場の技術者が必要とする試験・計測の多様なニーズを満たします。
OTDR(Optical Time Domain Reflectometer)は、光通信ネットワーク内で、ファイバーリンクに沿ってイベントまたは障害を特定するために使用される精密機器です。小型・軽量ハンドヘルド型のAQ1210と充実した波長ラインアップのAQ7280をご用意しています。
光ファイバー通信に使用される光部品や光伝送器の開発や生産では性能や品質を確認する光スペクトラムアナライザ、光ファイバーの敷設現場では光ファイバーケーブルの断線などの障害がないことを確認するOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)が欠かせません。光通信の業界で、最先端の計測技術を活かして、ソリューション提供いたします。