「AQ1200 OTDR」シリーズ
横河メータ&インスツルメンツ株式会社(本社:東京都立川市 社長:西島 剛志)は、光ファイバの機能試験向けのマルチフィールドテスタ「AQ1200 OTDR」シリーズに、保守用途向けの新モデル「AQ1200B」、「AQ1200C」を追加し、2月10日から販売を開始します。
OTDR(Optical Time Domain Reflectometer)は、光ファイバの長さや接続点の把握、光ファイバの断線などの障害箇所の特定のために、その敷設工事や保守の現場で使用する測定器です。
今回新たにラインアップする「AQ1200B」、「AQ1200C」は、アクセス系(通信局と加入者間)回線の保守作業で使用する製品で、現場での使いやすさを考慮して小型・軽量化を実現しました。通信回線で用いる光信号の波長とは異なる保守用の波長を使用するため、回線運用中でも通信品質に影響を与えることなく保守作業を行うことができます。
開発の背景
動画などの大容量データのやり取りが増え、高速で大容量のデータ通信が可能な光ファイバ通信網の導入・整備が世界規模で進められています。中国やインドなどの新興国では通信インフラの整備に向けた光ファイバの敷設工事が盛んで、敷設工事での試験向けのOTDRの需要が増えています。また、光ファイバによる通信インフラ整備が進んでいる日本や韓国などでは、通信品質の確保や安定運用のために、保守作業向けのOTDRの需要が増えています。
光ファイバの保守に使用される当社の製品には、高性能光ファイバ試験機「AQ7275 OTDR」があります。この製品は、幹線系(大都市間)からアクセス系回線までの敷設工事や保守作業に幅広く対応できるハイエンド機種ですが、アクセス系回線の保守作業を行うお客様からは、より小さくて軽い、現場で使いやすい製品が求められています。こうしたお客様のご要望に応え、小型・軽量で、保守現場で必要とされる機能を搭載した製品を新たに投入し、作業効率の向上に貢献します。
製品の特長
- 小型(A5サイズ)、軽量(約1キログラム)
光ファイバの保守現場で必要とされる機能を1台に集約し、持ち運びやすく小型・軽量化を実現しました。「AQ7275 OTDR」と比べると、大きさで約2分の1、重さで約3分の1になっています。 - PON システムの測定にも対応
通信局から光ファイバを分岐して、多数のユーザをつなぐPON(Passive Optical Network)システムでは、光ファイバの分岐点で、光信号が減衰して波形が変形することがあります。こうした状況下でも、それが光ファイバの障害によるものか、減衰によるものかを判別して測定できるので、障害箇所の特定を正確に行うことができます。
OTDR一覧
機種 | AQ1200B | AQ1200C | AQ1200A(参考) | AQ7275(参考) |
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用途 | 保守作業向け | 敷設作業向け | 保守作業 / 敷設作業向け | |
対応波長 | 1625ナノメートル | 1650ナノメートル | 1310/1550ナノメートル | 1625/1650ナノメートル |
1310/1490/1550ナノメートル |
対応波長について
光ファイバによる通信回線で使用できる波長については、電気通信に関する国際標準の策定機関である国際通信連合(ITU)によって定められています。
- 保守用の波長 1625/1650ナノメートル
- 通信用の波長 1310/1490/1550ナノメートル
通信サービスや保守で使用される波長は、国や地域、通信事業者によって異なるため、それぞれの条件に合わせた機種を選択する必要があります。
主な市場
通信事業者の保守担当、光ファイバの敷設工事会社および保守会社の現場作業者
用途
光ファイバの保守点検作業における検査、評価
販売目標(海外での販売を含む)
- 2010年度 200台
- 2011年度 2,500台
以上