左から、標準モデル「AQ6150」
高確度モデル「AQ6151」
横河メータ&インスツルメンツ株式会社(本社:東京都立川市 社長:金子 洋)は、業界最高クラスの高速測定と最大1,024波の同時測定で測定効率の向上に貢献する、光波長計「AQ6150」「AQ6151」を開発、11月20日より発売しますのでお知らせします。
開発の背景
近年のインターネット、スマートフォン、地上波デジタル放送などの大容量・高速通信サービスの急速な普及により、コア(基幹系)やメトロ(域内)ネットワークの拡張やデータセンター網の構築が進んでいます。これに伴い、光伝送装置や装置に組み込まれる光デバイスの生産が拡大しており、これらの検査を効率良く行える光波長計の需要が高まっています。また、波長可変光源の小型化・低価格化により固定波長光源から波長可変光源への置き換えが加速し、さまざまな波長の光を高精度に測定できる高性能の光波長計のニーズが高まっています。
当社がこのたび開発した光波長計「AQ6150」「AQ6151」は、高確度での波長測定が可能で、かつ業界最高クラスの高速測定と最大1,024波の同時測定により測定効率の向上に貢献する光波長計です。高精度測定のニーズに応えるとともに、測定効率の大幅な向上にも貢献します。
製品の特長
- ※1 DWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing): 高密度波長多重
- 1本の光ファイバに波長の異なる複数の光信号を多重させて大容量通信を行う光伝送技術。
- ※2 内蔵波長基準光源
- 光波長計の波長測定時の基準として使用される非常に安定した光波長で発光する光源。使用頻度にもよるが、数年で交換が必要となる。
- 業界最高クラスの高速測定、高波長確度を実現
業界最高クラスの高速測定が可能です。当社従来製品に比べ3倍以上の高速測定を実現し、測定開始から解析、データ転送までを0.3秒で行えます。可変波長光源の生産時の調整・検査では、一つの光源につき数百回の波長測定を行いますので、高速測定により生産スループットを大幅に向上できます。
また、「AQ6150」(標準モデル)は±1pm(ピコメートル)、「AQ6151」(高確度モデル)±0.3pmの高確度で波長測定が可能です。標準モデルの確度は当社従来製品に比べ3倍向上しました。 - 業界最多、最大1,024波までの同時測定が可能
波長の異なる光を最大1,024波まで同時に測定できます。これにより、DWDM※1(高密度波長多重)システムの出力光の波長測定にも使用できるほか、レーザデバイス生産時には複数のレーザの一括測定により測定効率の向上に貢献します。 - ライフサイクルコストを軽減
導入時の初期投資費用を抑えられることに加え、内蔵波長基準光源※2の交換周期の延長や低価格な交換サービスの提供により、ライフサイクルにわたる維持費も軽減します。
主な仕様
AQ6150 | AQ6151 | |
---|---|---|
標準モデル | 高確度モデル | |
波長範囲 | 1270~1650 nm | |
波長確度 | ±1 pm | ±0.3 pm |
最大検出波長数 | 1,024 | |
測定時間 | 0.3 秒(1測定あたり) |
主な市場
- レーザダイオード、光トランシーバなどの光デバイスおよび光モジュール市場
- 光伝送装置市場
用途
- ※3 DFBレーザ(Distributed Feedback Laser): 分布帰還型レーザダイオード
- 長距離伝送に適した半導体レーザ
- DFBレーザ※3、波長可変レーザ、ファブリペローレーザなどの光デバイスや、光トランシーバなどの発光波長測定
- WDM伝送装置の出力光の波長測定
販売目標(海外販売分を含む)
- 2012年度 100台
- 2013年度 300台
以上