「ディジタルパワーメータWT310/WT330シリーズ」 左からWT310(1ch)、WT310HC(1ch、MAX 40A)、WT332(2ch)/WT333(3ch)
横河メータ&インスツルメンツ株式会社(本社:東京都立川市 社長:金子 洋)は、電気・電子機器の省電力化に向けて、開発から生産ラインまで幅広い用途で使用できる小型でハイパフォーマンスの電力計「ディジタルパワーメータWT310/WT330シリーズ」4機種を開発、1月10日に発売しますのでお知らせします。
「WT310/WT330シリーズ」は、2002年に発売し累計約5万台販売した当社のベストセラーWT210/WT230シリーズの後継機種です。最新のニーズに対応した機能を盛り込み、この分野でのさらなるシェア拡大を目指します。
開発の背景
デジタルパワーメータは、家電やOA機器、産業機械、ハイブリッド/電気自動車用バッテリー、太陽光/風力発電関連機器などのエレクトロニクス、メカトロニクス市場で、製品の開発や性能試験、品質管理のための消費電力測定に使用されています。これらの分野では、環境保護・省エネルギー意識の高まりや電力不足などを背景に、製品の一層の省電力設計が求められています。省電力性能に優れた製品を早く市場に投入するため、メーカの開発や生産の現場では、作業効率を高めることが求められており、測定効率の高い電力計のニーズが高まっています。
製品の特長
- 様々な測定項目を同時に高速で測定
電圧、電流、電力という電力計の通常の測定項目と、積算電力量や高調波解析などの演算が必要な測定項目は、従来、測定モードの切り替えが必要でした。「WT310/WT330シリーズ」は、これらの測定項目をモード切り替えなしで同時に測定できます。また、測定間隔が100ミリ秒と高速で、測定効率を大幅に向上しました。 - 積算電力量測定時に業界初のオートレンジ切り替え
積算電力量を測る場合、従来は低負荷用、高負荷用で2台の電力計を必要とする場合がありました。新製品は、電力計として初のオートレンジ切り替え機能により1台で連続的に測定することができます。
また、オートレンジ切り替え動作では、レンジを1段階ずつ切り替えるのではなく、目的のレンジに直接切り替えるレンジスキップ機能を搭載しました。 これらの機能により、切り替えに要する時間が短縮され、作業効率や測定精度の向上が図れます。 - 付属ソフトでPCと連携
付属するソフトウエア「WTViewerFreePlus」を使用して、PC上で「WT310/WT330シリーズ」の設定や測定データの表示、記録を行うことができます。本ソフトウエアには、通信機能の自動検索機能があり、PCに「WT310/WT330シリーズ」を接続して、ソフトウエアを立ち上げるだけで作業を始めることができます。
仕様
型名 | 仕様 | |
---|---|---|
WT310 | 1入力エレメント、最大入力電流20A | |
WT310HC | 1入力エレメント、最大入力電流40A | |
WT332 | 2入力エレメント、最大入力電流20A | |
WT333 | 3入力エレメント、最大入力電流20A |
主な市場
- テレビ、HDDレコーダ、エアコン、冷蔵庫、照明器具などの家電メーカ
- パソコン、プリンタ、複合機などのOA機器メーカ
- ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車向け電池や充電器メーカ
- モータなどの産業機器メーカ
- 太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギー関連機器メーカ
主な用途
上記市場における製品の消費電力、待機電力、効率、ひずみ波(高調波)の測定等
販売目標(共に海外販売台数を含む)
- 2012年度 1000台
- 2013年度 8000台
電力計分野におけるYOKOGAWAの取り組み
YOKOGAWAは創業当時から電力計の開発に取り組み、産業界に各種電力計を提供してきました。これらの製品は、社団法人 日本電気計器検定所(JEMIC)に標準器として利用されるなど、高い評価を受け、国内・海外市場でトップメーカの地位を確立しています。
高速サンプリング、波形表示・解析機能を持つ高機能機種や、標準器レベルの高確度機種、現場で使える汎用機種まで幅広い製品を取り揃えているのが、当社の強みです。
このたび発売する「WT310/WT330シリーズ」は、高性能かつ低価格で高い評価を得た汎用機種WT110/WT130、WT210/WT230と続いてきた伝統を引き継ぐ機種として、今後の産業界の発展に貢献できる製品です。
以上