2025年1月15日
横河計測株式会社
横河計測 中波赤外光を高速・高精度に測定する光スペクトラムアナライザ「AQ6377E」を発売
横河計測株式会社(本社:東京都八王子市 代表取締役社長:鈴木 俊之)は、中波赤外域(MWIR)測定用の光スペクトラムアナライザ「AQ6377E」を開発し、本日発売しますのでお知らせします。本製品は、高速・高精度・高機能を実現する数々の新機能を搭載し、持続可能な社会を実現するうえで重要な環境計測をはじめとする幅広いレーザー測定ニーズに応えます。
光スペクトラムアナライザ「AQ6377E」
開発の背景
近年 注目されている5µm帯を含むMWIR帯用レーザーの研究者や開発者から、サイドモードの状態を含むレーザースペクトルを正確に可視化できる光スペクトラムアナライザが求められています。このニーズに応えるために、当社は2020年に現行機種「AQ6377」を発売しました。
後継モデルである光スペクトラムアナライザ「AQ6377E」は、さらに高速かつ正確な測定、さまざまな条件下でのパルス光測定への対応能力、そしてフーリエ変換方式の光スペクトラムアナライザ(FT-OSA)よりも優れたサイドモード抑制比(SMSR)の評価方法の実現など、お客様からの新たな要望 に対する解決策を提供します。
製品の特長
1. 高性能チョッパー※を内蔵
「AQ6377E」は新開発の高性能チョッパーを内蔵し、測定感度設定に応じて自動的に動作します。具体的には、中間感度であるNORMALおよびMIDにロックイン検出機能を適用するNORMAL/CHOPおよびMID/CHOP測定感度設定を追加しました。この機能により、MWIR光スペクトルを測定する際のバックグラウンドノイズの影響が軽減され、現行機種「AQ6377」と比較して、より高速かつ正確な測定が可能になります。
2. アドバンスドパルス光測定モードを搭載
新機能「アドバンスドパルス光測定モード」の追加により、パルス光測定能力が大幅に向上しました。この強化により、従来の「AQ6377」では困難だった低繰り返し周波数のパルス光などの測定が可能になります。
3. 測定ダイナミックレンジの仕様化
レーザー評価において、広いレベル範囲での一括同時測定は従来機「AQ6377」の特長でしたが、「AQ6377E」ではこの特長を新仕様「測定ダイナミックレンジ」によって仕様化しました。広い測定ダイナミックレンジの特性により、お客様はFT-OSAでは可視化が難しいレーザー性能の指標であるSMSRを正確に評価できます。
なお、光スペクトラムアナライザ「AQ6377E」は、2025年1月末までにCEマークを取得する予定です。
※ チョッパー:一定の速度で回転する羽根によって光線を周期的に遮断し光を変調する装置
【 主な市場 】
• 大学、研究所、研究部門
• レーザー、光ファイバー、光学部品の製造業者
【 用 途 】
• レーザー技術の研究
• 光パラメトリック発振器(OPO)などの非線形光学研究
• CO2、N2O、NOなどの環境ガスのセンシングに関する応用研究
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5μmを超える中赤外域に対応した長波長モデル