AQ6151Bは、マイケルソン干渉計ベースのベンチトップタイプ光波長計です。
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モデル | 波長範囲 | 波長確度 | 最大波長検出数 | |
高確度モデル AQ6151B |
標準 | 1270~1650nm | ±0.2ppm | 1024(マルチ波長タイプ) 1(シングル波長タイプ) |
波長拡張 | 1200~1700nm | |||
広帯域 | 900~1700nm |
AQ6151Bは、最も厳しい確度要件を満たすために±0.2ppmの確度を提供します。
内蔵された波長基準光源の非常に安定した光波長を基準とするリアルタイム補正により、AQ6151Bは長期にわたる高い波長測定性能を実現します。
AQ6151Bは、最小5GHzの分離分解能で、1入力あたり最大1024波長まで同時に高速かつ正確に測定することができます。
したがって、現在だけでなく将来のWDM伝送システムの開発や生産の測定ニーズにも対応できます。
この多波長一括測定の能力は、光デバイスの生産においても生産の効率化やコスト削減に貢献します。
たとえば、複数の光デバイスを合波して測定することで、時間当たりの測定デバイス数が増し、生産スループットが向上します。
また、測定システムの合理化により設備費や内蔵光源の交換費用などの維持費の削減が期待できます。
ウエハーやLDチップ出力の検査では単一波長だけを測定する場合があります。
シングル波長タイプは、このような用途に適した低コストの光波長計です。
光伝送システムや光トランシーバから出力される10Gbpsや25Gbps、更には100Gbpsで変調された光信号は広帯域なスペクトル幅であるため、光スペクトラム解析を行わない単一波長用光波長計では正確な測定が困難です。
AQ6151Bは、一般的なCW光測定モードに加え光スペクトラム解析を行う変調光モードを備えており、変調信号など広帯域な光信号の中心波長を正確に測定することができます。
また、この変調光モードは、AWGなどのフィルターの中心波長測定にも使用できます。
自動利得制御機能の搭載により、AQ6151Bは入力パワーに応じて自動的に電気増幅回路のゲインを調整します。したがって、-40dBmの低い入力信号でも、波長確度や測定速度を最大限に高めます。
波長可変LDやそれを用いた光モジュールの調整や特性評価では、1デバイスあたり数百回にも及ぶ光波長測定を行うため、高速測定と高い処理能力は生産スループットを向上させるために特に重要です。 AQ6151Bは、0.2秒以内で測定、解析、PCへのデータ転送までを実行できます。これは当社従来モデルの約2倍の速さです。これにより生産スループット向上に大きく貢献します。 また、リピート測定モードでは、最高毎秒5回測定できるため、リアルタイムに波長をモニターしながら行うデバイスの調整などに非常に役立ちます。
光波長計に内蔵された波長基準光源(He-Neレーザー)は定期的な交換が必要であり、交換の頻度とその費用は光波長計の運用コスト(ライフサイクルコスト)に大きな影響を与えています。
AQ6151Bは、右図に示すように導入時の初期投資費用を抑えることに加え、波長基準光源の交換周期の延長や低価格な交換サービスの提供により、お客様のライフサイクルコストの軽減を実現します。
AQ6151Bは、GP-IBやETHERNETのリモートコントロール用インタフェースを使用して、容易に自動測定システムを構築できます。リモートコントロールに使用する制御コマンドは、測定器に一般的に使用されているStandard Commands for Programmable Instruments (SCPI)に準拠しているため、YOKOGAWA製AQ6140シリーズ光波長計や他のSCPI準拠の光波長計をお使いの場合は、測定プログラムを変更する手間を省き、測定システムのアップグレードが容易に行えます。
最大ピークまたは任意の1ピークの波長とパワーを大きく見やすい数字で表示します。測定スタンドの上部に設置された場合でも容易に読み取ることができます。
複数ピークの波長とパワーをリスト表示し、上部には最大ピークまたは任意の1ピークの波長とパワーを表示します。
また、リストのみの表示も選択できます。
光パワーはバーグラフでも表示されるので、パワーのばらつきや平坦性を視覚的に確認できます。
測定された任意のピークと他のピークとの波長とパワーの差分を表示するモードです。ピーク間隔の測定時に有効です。
設定したグリッド波長を中心とした所定範囲内にある測定波長とグリッド波長の差を表示します。
波長軸は、波長(nm)のほか、周波数(THz)や波数(cm-1)で表示できます。また、光パワーは、dBmのほか、mWやμWで表示することができます。
マルチ波長タイプでは高速フーリエ変換(FFT)より得られた光スペクトラム波形を表示することができます。
実際の光スペクトラム波形を見ながら測定条件を設定したり、測定データに異常があった場合などのトラブルシューティングを行う際に役立ちます。
また、ピークテーブル上で任意のピークを選択すると、そのピークが光スペクトラム表示画面の中央になるよう自動調整されます。
AQ6151Bは、自動測定機能や解析機能を搭載しています。
これらの機能により、リモートコントロールや解析プログラムの作成/検証にかかる時間とリソースを節約できます。
ドリフト解析は、被測定信号の経時変化を測定する機能です。連続測定を行い、最大値(MAX)、最小値(MIN)、変動幅(MAX-MIN)などの測定結果をリスト表示します。レーザー光の長期安定度や温度特性の評価などが容易に行えます。
ドリフト測定データテーブル
ピークごとの波長とパワーを複数回測定し平均化する機能です。
変調信号や不安定な信号の測定時の不確かさを抑えます。
平均化測定画面
マルチ波長タイプは、測定された光スペクトラム波形より、中心波長、全パワー、半値全幅(FWHM)、モード間隔などのファブリペローレーザーの評価パラメータを瞬時に解析します。
ファブリ・ペロー・レーザー解析データ
測定データをチャネル当たり最大100,001 ポイント記録し、表およびグラフで表示します。長期安定度試験や温度サイクル試験に有効です。
データロギング機能
AQ6151Bは、R&Dや製造のテストやトラブルシューティングなどのシーンで世界の多くのユーザーから高い評価を受けているYOKOGAWAのベストセラー光スペクトラムアナライザの画面デザインと直感的な操作性を継承しています。
LAN接続時は、PCからネットワークを介して内蔵メモリーに保存されたファイルへのアクセスやファームウェアのアップデートができます。
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背面パネルには、 GP-IB、ETHERNET、USB、 モニター出力の各種 インタフェースを搭載 |
通信ネットワークの帯域ニーズの応えるため、伝送システムには、伝送容量や効率向上が求められています。
それを実現するためにWDMチャネル間隔の最小化、WDMチャネル数や伝送レートの最大化、高度な変調方式などの様々な技術が開発されています。
そのようなWDM伝送システムでは、送信部の最終出力信号のテストや、レーザーモジュール、送信モジュール部などのサブシステムの調整や検査に高い波長測定性能が求められます。
高性能・高機能化するWDM伝送システムに使用されるレーザーデバイス、レーザーモジュール、光トランシーバなどの光部品の調整・検査には、高い波長測定性能が求められます。
レーザーのSMSR(サイドモード抑圧比)やWDM伝送システムのOSNR(信号雑音比)などの測定には、AQ6370D光スペクトラムアナライザをお勧めします。 |
非常に高い波長確度を持つAQ6151Bは、各種光測定システムや測定器の波長校正に使用できます。