光を光ファイバーの中に入射すると、一部の光は光ファイバーの中で光の進行方向とは反対側へ散乱します。この光を後方散乱光と呼びます。光ファイバーはそれぞれ、独自の後方散乱光の値(レベル)を持っています。後方散乱光レベルの違うファイバー同士の接続点の損失は、測定方向によって値が異なるため、正しい損失測定を行うためには、双方向からの測定が必要になります。
例えば、後方散乱光レベルが-60dBのファイバーと-55dBのファイバーが3dBの損失で融着接続されているファイバーの測定では、
従って、双方向から測定した値の平均が正しい損失値となります。
A端から測定イベント1の損失: -2dB
B端から測定イベント1の損失: 8dB
(-2dB + 8dB)/ 2 = 3dB
双方向からの損失を平均化することで、後方散乱光の値が差し引きされ、イベント1の損失だけが浮き出てくることになります。
AQ7280とAQ1210では、[波形解析]→[2波形合成]で双方向測定の解析ができます。
YOKOGAWAのAQ7280 OTDRは、コアネットワークからFTTHまで幅広い光ネットワークに対応し、敷設や保守作業を行う現場の技術者が必要とする試験・計測の多様なニーズを満たします。
AQ1210 シリーズMFT-OTDRは、アクセス系FTTA、FTTHからメトロネットワークまで幅広い光ネットワークに対応し、敷設や保守作業を行う現場の技術者が必要とする試験・計測の多様なニーズを満たします。
通信インフラの測定ニーズを先取り
現在、かつてないほど多くのデータが利用できるようになりました。大量のデータや画像情報はクラウドにアップされて、様々な解析が行われ、価値のあるデータとして、利用者に送られます。
データの送受信には、光ネットワークが利用され、そのデータ容量は、爆発的に増加、エネルギー消費の増大も招いています。YOKOGAWAは、光ネットワークに使用される様々な光デバイスの光学特性とエネルギー使用量を正確に測定することで、持続可能なデータ通信をサポートします。
OTDR(Optical Time Domain Reflectometer)は、光通信ネットワーク内で、ファイバーリンクに沿ってイベントまたは障害を特定するために使用される精密機器です。小型・軽量ハンドヘルド型のAQ1210と充実した波長ラインアップのAQ7280をご用意しています。
光ファイバー通信に使用される光部品や光伝送器の開発や生産では性能や品質を確認する光スペクトラムアナライザ、光ファイバーの敷設現場では光ファイバーケーブルの断線などの障害がないことを確認するOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)が欠かせません。光通信の業界で、最先端の計測技術を活かして、ソリューション提供いたします。