⾃動⾞・輸送機器の電圧・振動等とGPSによる位置情報同時記録

概要

自動車・輸送機器の実車による走行試験においては、バッテリやモーターの電圧・電流、温度や振動、CAN/CAN FDなど車載シリアルバスデータ等を、GPSからの速度、位置情報とともに記録できるとより詳細なデータ分析が可能になります。

しかしながら、データロガーによる走行中の実車のデータ記録とGPSからの記録を同時に行う場合、それぞれのデータの同期がとるのが困難だったり、高額な専用計測システムが必要だったりといった課題があります。

また、データロガーによる測定は多チャネルに及ぶことが多くなりますが、あらかじめ各入力信号のレベルに合わせて最適なレンジを一つ一つ設定していく必要があり、測定前の作業のために多大な時間を要してしまいます。

このアプリケーションノートでは、ポータブル スコープコーダ DL350を使った、各種信号とGPS情報の同時記録を解説します。

ポイント

ポータブル スコープコーダ DL350は、18種類のプラグインモジュールから2つを本体に装着でき、電圧・電流、加速度（振動）、温度、ひずみ、周波数、ロジックから、CAN/ CAN FD/ LIN/ SENT通信データのトレンド計測までの複合計測を一台で行うことができます。

スコープモード：オシロスコープの操作性

レコーダモード：データレコーダの操作性

スコープコーダ　DL350

特長

用途にあわせ、サンプリングレートが1MS/s、10MS/s、100MS/sのモジュールから選択できます。

100Mポイント/スロットの内蔵メモリーまたは最大20Gポイント/スロットのSDカードへの長時間記録が可能です。

SDカード記録時間例

不慣れなユーザーでも使えるように、操作ナビゲーション機能を搭載、ステップを追って設定できます。もちろん、設定ファイルの保存・呼び出しもできます。

オートセットアップ機能を使えば、入力信号を適切な時間軸と振幅軸で自動的に表示します。

別売アクセサリのGPS ユニットを接続すると、GPSによる位置情報を取得し、計測データに付加できます。

•緯度 [°] •経度 [°] •高度 [m] •速度 [km/h] •方位 [°] •GPS Status

AC電源、DC電源（シガレットプラグ）に加え、最大３時間のバッテリ駆動が可能です。

バッテリを搭載しておけば、停電時も計測を継続します。

市販の大容量外部バッテリをDC電源に使えば、さらなる長時間駆動が可能です。

Google Earth Proを使えば、走行軌跡を地図上にトレース表示することができます。

また、DIAdemを使えば、計測データとともに地図上にトレース表示を行うことができます。

DL350は、バッテリ駆動により接地せずに計測する設計のため、安全上、本体にプローブ電源を内蔵していません。

電流プローブを使用する場合、外部のプローブ電源を利用するか、バッテリ内蔵電流プローブをご利用ください。

動作確認済電流プローブの例

ショバンアルノ社製 バッテリ内蔵 AC/DC電流クランプ

ショバンアルノ社の最新製品情報をご確認ください。

URL: https://catalog.chauvin-arnoux.com/fr_en/produits/chauvin-arnoux/current-clamps-and-sensors

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