GS610は電圧・電流発生および測定機能を搭載した高精度・高機能のプログラマブル電圧電流源です。
最大出力電圧は110V,最大出力電流は3.2Aで、ソース動作(電流の供給)およびシンク動作(電流の吸い込み)が可能なため、広範囲にわたる基本電気特性の評価を行なうことができます。
最大電圧110V、最大電流3.2A、最大電力60Wのソース動作(電流の供給)およびシンク動作(電流の吸い込み)による4象限動作が可能です。 出力分解能および測定分解能は5.5桁です。
電圧発生/測定レンジ: 200mV~110V
電流発生/測定レンジ: 20μA~3.2A
GS610は定電圧源と定電流源、電圧計と電流計によって構成されます。
個々の動作はもちろん、組合わせにより多数の動作モードを選択できます。
動作モード:
電圧発生/電流測定 (VS/IM)、電圧発生/電圧測定 (VS/VM)
電流発生/電圧測定 (IS/VM)、電流発生/電流測定 (IS/IM)
電圧発生(VS)、電流発生(IS)、抵抗測定(VS/IM、IS/VM)
また、リモートセンス、ローカルセンスを内部切替することにより、2線式、4線式での制御と測定が可能です。
GS610の電圧電流発生部にはDC発生モードとパルス発生モードがあります。
各発生モードについて連続出力、リニアスイープ、ログスイープ、プログラムスイープといった4種類の動作モードが用意されており、プログラムスイープモードではユーザが任意のスイープパターンを定義できます。
各スイープモードでは最小100μs毎に出力レベルを変化させることができます。
GS610ではパルス発生モードおよびスイープ動作モードの場合に、下図のように発生タイミングと測定タイミングを同期させることができます。
内部/外部トリガを基点にソースディレイ経過後に発生を開始し、ソースレベルが安定するまでの時間(メジャーディレイ)を経過した時点で、所定の積分時間による測定を行ないます。パルス印加後、負荷の応答を待ってから測定する場合に必要な機能です。
ソースメジャーサイクルは信号発生と測定の最小単位であり、GS610では最短1msecでの発生/測定動作(ソースメジャーサイクル)が可能です。
*1:メジャーOFFの場合、 | 100μs~3600s(DCモード) 200μs~3600s(パルスモード) |
スイープ動作を利用して2回の測定を行ない、1回目と2回目の差分を測定することができます。
スイープデータ1のソース値が確定した時点でメジャー1の測定を行ない、次いでスイープデータ2のソース値が確定した時点でメジャー2の測定を行ない、メジャー1からメジャー2の測定値を減算して差分を求めます。 2回の測定を短時間内に実施することにより、オフセット変動の影響をキャンセルした高精度な測定が可能です。
また、ソース1=-1×ソース2のように絶対値が等しく極性が異なる電圧を印加して差分測定を行なうことにより、接合部での熱起電力によるオフセット誤差の影響をキャンセルすることができます。
GS610のゼロ発生機能では電圧/電流のゼロ値を発生するとともに、出力の状態を高インピーダンス/低インピーダンスに切替えることが可能です。
ゼロ発生状態では出力リレーをON状態にしたままで、負荷への電圧印加や電流供給を停止することができます。
本機能では出力リレーのチャタリングや接点寿命の問題を回避でき、さらに出力ON/OFFの動作時間を短縮することができます。
電圧のゼロ発生
電流のゼロ発生
GS610は豊富な外部入出力を用意しています。 発生と測定のタイミングを示すトリガ入出力信号、出力リレーのON/OFF制御信号、ゼロ発生のON/OFF制御信号、コンパレータ判定結果出力などの信号をBNCおよび多芯コネクタを介して入出力できます。
また、GS610のトリガ出力を別機のトリガ入力にBNC接続するだけで、複数のGS610を同期運転できます。
(コネクタ形状等の外観については リアパネル の項を参照してください。)
ソースメジャーユニットGS610とパソコンをUSB接続すると、GS610の内部メモリはUSB記憶装置デバイス(リムーバブルディスク)としてパソコンに認識されます。
GS610の発生パターンを汎用ワークシート上で作成し、このパターンファイルをドラッグ&ドロップ操作するだけでGS610の内部メモリに簡単に格納できます。
GS610はこのファイルに書かれた発生パターンに従って電圧または電流レベルをスイープし、各点における負荷電流または電圧値を測定し、測定結果をGS610の内部メモリに格納します。
面倒なプログラミングや専用ソフトウエアの導入は一切不要です。
GS610では専用演算子の組み合わせによる自由演算が可能です。
測定値の線形変換や電力演算、現在測定値からの次回発生値の演算、関数式による発生データのリアルタイム演算などが可能です。
演算式はパソコン上のテキストエディタで作成し、USB経由でGS610の内部メモリに保存します。
Ethernetインターフェース(/C10オプション)を搭載することにより、ネットワーク環境でのリモート制御や ファイル転送が可能です。
トリガ/スイープ/コントロール入力 (BNCコネクタ) トリガ入力、スイープ開始入力、制御入力のうち、 いずれか1つを選択します。 トリガ/スイープ/コントロール出力 (BNCコネクタ) トリガ出力、スイープ同期出力、制御出力のうち、 いずれか1つを選択します。 GP-IB パソコンからリモート制御するためのインターフェース(IEEE488準拠)。 |
外部入出力 外部機器との同期コントロール信号および コンパレータ判定結果出力。 シリアル(RS-232) USB-PC接続 パソコンと接続してGS610内部メモリをUSB 記憶装置デバイスとして動作させます。 イーサネット(/C10オプション) 100BASE-TX/10BASE-Tに準拠。 FTPファイル転送が可能です。 |
記載内容は2024年10月1日現在のものです。また、お断りなく変更することがありますのでご了承ください。
価格には別途消費税が加算されます。