光スペクトラムアナライザ AQ6370D

AQ6370Dは通信分野に代表される波長帯域(600~1700nm)に最適化したベンチトップ型の光スペクトラムアナライザです。
世界最高クラスの光学性能と高速測定、機能により研究開発から製造まで幅広くご使用いただけます。データロギングや拡張マーカ機能など新たな機能を搭載しています。

  • 波長範囲: 600~1700nm
  • 波長確度: ±0.01nm
  • 波長分解能: 0.02nm
  • ダイナミックレンジ: 78dB typ.
  • レベルレンジ: +20~-90dBm
  • 100nmの波長幅を0.2秒で高速測定
  • シングルモードからマルチモードファイバまで適応

従来機種と比べて、エネルギー、CO2、NOx、SOxを約17%削減
ライフサイクルアセスメント結果

What's New


デモのご依頼

世界最高クラスの光学性能をさらに向上

標準と高性能の2モデル

高い測定性能を誇る標準モデルのほか、より高い波長確度とダイナミックレンジを実現した高性能モデルをラインアップしました。

クラス最高の波長分解能 0.02nm

コンパクトながら高性能なモノクロメータを搭載。高い分解能により近接した信号も分離して正確に測定します。

高波長確度 ±0.01nm

  • 高性能モデル: ±0.01nm (Cバンド)
  • 標準モデル: ±0.02nm (C+Lバンド)

波長範囲

標準(-12)

高性能(-22)

1520~1580 nm
1580~1620 nm
1450~1520nm
全波長範囲

± 0.02 nm
± 0.02 nm
± 0.04 nm
± 0.10 nm

± 0.01 nm
± 0.02 nm
± 0.04 nm
± 0.10 nm

広ダイナミックレンジ 78dB typ.

ピーク波長近傍の迷光を低減し、高ダイナミックレンジを実現しました。

 

標準(-12)

高性能(-22)

ピーク波長±1.0nm
ピーク波長±0.4nm
ピーク波長±0.2nm

73 dB
62 dB
45 dB

73 dB (Typ. 78 dB)
64 dB (Typ. 70 dB)
50 dB (Typ. 55 dB)

*波長分解能 0.05nmにて

ダイナミックレンジの例

ダイナミックレンジの例
ピーク波長±1.0nm, 分解能設定 0.05 nm, 高ダイナミックモード: ON, 高性能モデル

さらにシャープなフィルターエッジを実現

高性能モデルではピーク波長±0.2nm以内のスペクトル形状がよりシャープになり、ダイナミックレンジが向上しました。

 

標準(-12)

高性能(-22)

ピーク波長±0.2nm
ピーク波長±0.1nm

55 dB
37 dB

58 dB (Typ. 60 dB)
45 dB (Typ. 50 dB)

* 波長分解能 0.02nmにて

ピーク近傍スペクトラムの例

ピーク近傍スペクトラムの例

迷光抑圧比 80dB typ.

高ダイナミックモードを使用しない場合の迷光抑圧能力を新たに規定。高い迷光抑圧比で測定時間の短縮に貢献します。

標準(-12)

高性能(-22)

73dB

76dB(Typ.80dB)

* 波長分解能 0.1nmにて

迷光抑圧比の例

迷光抑圧比の例
高ダイナミックモード: OFF、分解能設定 0.1 nm, 高性能モデル

広レベルレンジ +20dBm~-90dBm

光アンプおよびラマンアンプ用のポンプレーザーなどの高パワーの光信号から微弱な光信号まで短時間で正確に測定します。測定感度は、測定アプリケーションや測定スピードなどの条件に応じて、7段階の中から、適切な設定を選択いただけます。

1000nm~1300nmのレベル感度が -85dBmに向上

スムージング機能

測定スペクトラムに重畳するノイズ成分を軽減するスムージング機能を搭載しています。

  • 高ダイナミックモード
    強い光信号により引き起こされるモノクロメータ内の迷光の影響を軽減、より高いダイナミックレンジが得られます。

フリースペース構造の光入力部

  • シングルモードおよびマルチモードファイバーに対応。マルチモードファイバーでも挿入損失が少なく、信号レベル低下による測定速度の低下を抑えます。
  • 光コネクタ接続再現性に優れ、安定した測定を実現。内部ファイバーとの接触によるファイバー接続面破損の心配もありません。

APCレベル補正機能

アングルタイプの光コネクタ使用時の挿入損失を補正する機能を搭載しています。

光入力部

優れた測定スループット

100nmの波長幅を0.2秒で高速測定

先進のモノクロメータ技術や高速な電気回路、独自のノイズ低減技術により、高速スペクトル測定を実現。DWDM信号などの急峻な立ち上がりのあるスペクトラムや微弱信号などの測定で威力を発揮します。

高速リモートインタフェース搭載(Ethernet, GP-IB)

より広帯域を高分解能で一括測定

50,001のデータポイント数により、高い分解能を保ったまま、より広い波長範囲を一括測定でき、測定をより高精度化・効率化します。

抜群の操作性

トレース・ズーミング(波形拡大・縮小機能)

  • 測定した波形の波長軸の表示条件(表示波長範囲や中心波長など)をマウスのクリック&ドラッグで任意に設定
  • 見たい範囲を瞬時に拡大、表示位置シフトもマウスで自由自在

マウス&キーボード操作

  • 直感的なパネルキー配置とメニュー構造を継承
  • USBマウスでさらに簡単操作
  • ラベルやファイル名はUSBキーボードで入力可能

容易な測定データ管理

USBストレージ

大容量のUSBメモリやハードディスクにも対応。

512MB以上の内蔵メモリ

20,000以上の測定データを保存可能。

全トレース一括保存・再生機能搭載

全トレースの保存と再生が1ファイルで行なえます。

USBストレージ

新機能

データロギング機能

WDM信号の解析結果(各チャネルのピークレベル/波長/OSNR)やDFB-LD解析の結果をチャネルあたり最大10,000ポイント保存します。記録したデータは表とグラフで表示します。本機能は長期安定性試験や温度サイクル試験に使用できます。また、測定した全てのスペクトラムデータを保存していますので、不具合発生時のスペクトラム確認も可能となり、トラブルシューティングに活用できます。

自動測定システム

拡張マーカ機能

スペクトラム波形上のマーカ点のパワー密度と積分値を算出します。本機能により、無変調光/変調光に関わらず、OSNRが簡単に求められます。

自動測定システム

ゲート・サンプリング機能

伝送システムの周回実験に使用します。AQ6370Dは外部ゲート信号を用いて特定ループの信号を測定します。従来の外部トリガ信号やサンプルイネーブル信号による測定より、高速で測定が可能となります。

分解能校正機能

外部光源を使用し透過雑音帯域幅を校正する機能です。ASEやSC光源などの広帯域なスペクトラムのパワー密度をより正確に測定できます。

豊富な解析機能

7つの独立トレース

複数スペクトラムの同時表示、差分演算などのトレース間演算機能、最大・最小値記憶(Max/Min hold)などを装備。

15種類のデータ解析機能搭載

代表的な解析機能を標準搭載しています。

  • スペクトル幅解析
  • WDM(OSNR)解析
  • WDM-NF(EDFA)解析
  • DFB-LD解析
  • FP-LD解析
  • LED解析
  • SMSR解析
  • 光パワー解析
  • 各種フィルタ解析など

プログラム機能を使用して、複数の解析を自動的に実行することができます。

自動測定システムの構築サポート

プログラム機能

  • 外部コントローラを使用せず、小規模な測定システム構築できます。
  • 実際のキー操作やパラメータを設定する感覚で簡単に実行プログラムを作成できます。

高速リモートインタフェース

外部コントローラによる自動テストシステム構築をサポートします。

  • 高速な測定、コマンドレスポンスとデータ転送能力により、自動テストシステムの試験時間短縮に大きく寄与します。
  • SCPI互換コマンド(標準)
  • AQ6317シリーズコマンドにも対応
  • LabVIEW®ドライバの提供

自動測定システム

高性能を維持する機能搭載

周囲環境の変化や移動時受ける振動や衝撃は光学系に少なからず悪影響を与え性能劣化の原因となります。 AQ6370Dには、短時間で光軸ずれや波長ずれを補正して高い光学性能を維持する機能が搭載されています。

内蔵波長基準光源

AQ6370Dは、内蔵の波長基準光源(オプション)あるいは外部光源により、アライメントおよび波長校正が行えます。

波長校正機能

内蔵波長基準光源や外部光源を用いて波長校正を行い波長ずれを自動補正します。

アライメント機能

内蔵波長基準光源(オプション)あるいは外部光源を使用して、移動時などの振動や衝撃による光軸ずれを自動補正します。

AQ6370Dは、光コンポーネントや光伝送装置の研究開発から製造のほか、様々な分野に応用することができます。

代表的なアプリケーション例

  • 光アクティブデバイス
    (半導体レーザ, 可変波長光源, ファイバレーザ, 光アンプ, 光トランシーバ)
  • 光パッシブデバイス
    (フィルタ, FBG, AWG, WSS/ROADM, 光ファイバ)
  • 光通信伝送装置
    (DWDM, CWDM)
  • その他光応用機器の開発支援

DWDM信号のOSNR測定例

DWDM信号のOSNR測定例

WDMシステムの伝送光信号の光スペクトラムを測定し、
WDM(OSNR)解析にて、チャネルごとの波長、
光レベル、チャネル間隔、SN比が求められます。


DWDM用光アンプ(EDFA)の測定例

DWDM用光アンプ(EFFA)の測定例

光アンプへの入力光と出力光のスペクトラムをそれぞれ測定し、
WDM-NF(EDFA)解析にて、チャネルごとの波長、
アンプゲインとNF(雑音指数)が求められます。

NA 変換アダプタ

本アダプタは、接続した光ファイバーの出射ビーム広がり角(NA)を約1/2にして光出力します。
フリースペースの光入力部 を持つAQ6370シリーズ専用のアダプタです。
パッシブ・デバイス測定時のダイナミックレンジ(信号対雑音比)や、アクティブ・デバイス測定時のレベル安定度が向上します。

概要:

(THE T&M LINK(Vol.18)2006年7月14日掲載)

まえがき

インターネットのバックボーンを始め、企業内の通信などにも幅広く利用されている光ファイバ通信ですが、日本では今、FTTH(Fiber To The Home)のかけ声のもとで、各家庭にまで急速に光ファイバ網の導入が進んでいます。光ファイバ通信は、高速大容量が特長ですが、世の中の要求は「より速く、より大容量、そして安価に」です。
光ファイバ通信の研究開発・製造・保守の各場面では、光の測定が重要な評価項目であり、波長測定、パワー測定、スペクトラム測定が基本となっています。測定には、それぞれ光波長計、光パワーメータ、光スペクトラムアナライザなどが使われています。
ここでは、この基本測定の一つである光スペクトラム測定について、その基本原理と測定テクニックなどについて解説します。

光スペクトラム測定の基礎

太陽の光をプリズムに通すと、虹のような色の帯ができることをご存知の方は多いと思います。
様々な異なる波長(=色)を持つ光の成分が、どのような割合で混ざっているかを表したものを 光スペクトラムと呼びます。そして、様々な波長の混ざった光から光スペクトラムを得る手法を分光と呼びます。
図1に光スペクトラムの例として、太陽光のスペクトラムとレーザの光スペクトラムを示します。

光スペクトラムの例

一口に光スペクトラムと言っても、様々な形態のスペクトラムが知られています。例えば、ある光源の波長分布を単純に測った場合は発光スペクトラムですが、ある物質(ガラスなど)をどのような波長の光がどれだけ透過するかを表す場合は「透過スペクトラム」、逆にある物質からどのような波長の光がどれだけ反射してくるかを表す場合は「反射スペクトラム」と呼ばれます(図2参照)。光ファイバ通信においては、これらの光スペクトラムから得られる情報が、高速・大容量という要求事項を評価するための重要なパラメータとなっています。

物質の透過・反射スペクトラム

<光ファイバ通信における基本光スペクトラム測定の項目>

  • レーザ、発光ダイオードなどの発光素子の発光波長(中心波長,ピーク波長)やスペクトル幅測定
  • 光ファイバの損失波長特性や光フィルタなどの減衰特性や透過特性、カットオフ波長測定

<光スペクトラム測定の応用例>

  • 光ファイバアンプの性能である利得やNF(雑音指数)解析
  • 光伝送信号のOSNR(光信号対雑音比)解析

光スペクトラム測定のしくみ

光スペクトラムアナライザは、各波長に対応した光パワーを分光により測定し分析を行う測定器です。光スペクトラムアナライザによる光スペクトラム測定のしくみを図3に示します。入力された光は、図中の光バンドパスフィルタで、狭い波長スロットに分割され、フォトダイオード(O/E変換器)で電気信号に置き換えられます。光バンドパスフィルタの中心波長をスイープさせながら得られる電気信号をプロットしていくことで、光スペクトラムが得られます。この光バンドパスフィルタは、光学的なプリズムを使用したメカニカルな装置でモノクロメータと呼ばれます。光バンドパスフィルタの特性が狭帯域でかつシャープであるほど、高性能な光スペクトラムアナライザと言われています。また、光バンドパスフィルタの中心波長を制御する精度が高いほど、波長測定精度が良いことになります。

光スペクトラムアナライザの原理

光スペクトラムアナライザの性能指標

光スペクトラムアナライザの代表的な性能指標を列挙します。
使用される様々な場面で、必要に応じて測定器の性能を確認しておく必要があります。その他の指標としては、解析機能 の豊富さや、マウス操作などに代表される操作性の良さ、および外部インタフェースの充実などが挙げられます。

光スペクトラムアナライザの性能指標

 

光スペクトラム測定の注意点

<測定対象に応じて最適な分解能設定が必要>
光スペクトラム測定のしくみで説明したように、光スペクトラムアナライザでは内部の光バンドパスフィルタ帯域が狭いほど、得られる波長分解能は高くなります。しかし、白色光などの広帯域な光スペクトラムでは、フィルタの帯域幅が狭いほど測定されるパワーが小さくなり、測定のSN比が十分とれない場合があります。このため、波長分解能の設定には表1に示すような使い分けが必要です。

測定対象に応じた波長分解能設定の使い分け

表1 測定対象に応じた波長分解能設定の使い分け

 

レーザの光スペクトラム測定例

光ファイバネットワークの構築に不可欠な光送受信モジュールは、光トランシーバと呼ばれています。光トランシーバ内部の送信モジュールにはレーザが使用され、その光スペクトラムの評価に光スペクトラムアナライザが使用されます。図4、図5にそれぞれ光トランシーバのレーザの代表的な光スペクトラムを測定した結果を示します。図4に示したレーザは主に近距離の光ファイバ通信に使用されるレーザで、ファブリペローレーザと呼ばれます。

式

ファブリペローレーザの発光スペクトラムは、離散的に複数のピーク波長が存在するため中心波長およびスペクトル幅はRMS (Root Mean Square)法で求めるのが一般的です(式1および式2により算出)。図5に示したレーザは主に長距離通信に使用 されるレーザで、DFBレーザと呼ばれます。
DFBレーザはファブリペローレーザとは異なりピーク波長は一つであるため、発光波長はピーク波長または半値全幅の中心として求められます。またDFBレーザの代表的な評価パラメータとしてSMSR(サイドモード抑圧比)があります。SMSRは、光スペクトラムのピークレベルに対してセカンドピークがどれだけ抑圧されているかを表し、レーザ発振の品質を示す重要な指標です。

光スペクトラム測定例

おわりに

光スペクトラム測定は、光ファイバ通信の発展とともにその重要度が高まってきました。特に波長軸方向にデータを多重するWDM(波長分割多重)方式の急速な普及により、光スペクトラムアナライザは欠かすことの出来ない基本測定器として使用されるようになりました。現在では、光通信用デバイスの低コスト化にともない、測定器の機種選定に対しても高性能・高機能かつ低コスト、測定スループットなどが重要視されています。また、光スペクトラムアナライザを効果的に使用する上では、最適な測定条件の設定、適切な解析機能の選択などが必要となります。

製品紹介

    概要:

    通信分野に代表される波長帯域(600~1700nm)に最適化したベンチトップ型の光スペクトラムアナライザ AQ6370D をビデオでご紹介します。

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