SENT通信システムの構築と検証

SENT通信システムの構築と検証

概要

より高度な制御の実現を目指し、自動車に搭載される各種センサーの高性能化、高精度化が進んでいます。

これらデータはアナログ方式(電圧レベルやパルス変調)でECUに送られていましたが、ECU内部でのA/D変換誤差や、センサーの多機能化に伴うワイヤーハーネスの増加、電動化に伴い増大する電磁ノイズの影響によるデータ送信経路での精度低下が大きな問題となっていました。

この問題を解決するため、近年ディジタル方式への切り替えが進み、高精度センサー向けとしてはSENTSingle Edge Nibble Transmission, SAE-J2716)通信が採用されはじめています。エラー検出機能を備え、高精度な複数のデータを一つの信号線で送ることが可能なSENT通信により、信頼性の高い高精度なデータ通信を低コストで実現できます。

SENT通信は、ステアリングなどの角度センサ、エアフローセンサを中心に急速に普及が始まっています。YOKOGAWADLM3000/DLM5000, DL950により、SENT対応IC単体評価および通信システム全体の構築と検証をサポートします。

ポイント

DLM3000/DLM5000は、SENT信号を波形として観測し、物理層の様子を解析することができます。データのデコード表示やトリガも可能です。ノイズの影響などによってSENT通信がエラーを起こしてしまうようなケースでのトラブルシューティングに最適です。デコード結果のリスト表示や簡易的なトレンド表示も可能です。

DL950/VCEオプション)とSENTモニタモジュールにより、SENT通信データをD/A変換したアナログ値としてトレンド表示が可能です。SENTトレンド波形でトリガをかけ、データを記録できることに加え、同一画面で他のアナログ信号との比較検証も容易に行うことができます。開発、生産各場面での、センサー入力物理量変化とSENT出力値の整合性の確認などに威力を発揮します。

特長

DLM30004chモデル)/DLM5000

nシリアルバスのオートセットアップ機能
n500Mポイントのロングメモリー

Tick 3usの信号に対して、最大100秒程度の測定が可能。サーチ機能で目的の波形を検索。

n最大100,000個のヒストリ機能

自動で最大10万件のSENTフレーム情報を保持。デコード結果をリスト形式で表示し、物理層波形と関連付けて確認可能。

DL950/VCEオプション)

nSENTモニタモジュール 720243
モジュールに2ポートを搭載、DL950本体1台で最大8ポートをサポート。
1ポートあたり最大11データのトレンドモニタが可能。Fast CH(8CH), Slow CH(5CH), Status & Communication, Error, Error CountError の回数積算値)を同時に波形モニタ。
n最大32チャネルの電圧、電流、温度、加速度(振動)ひずみ、周波数を同時測定可能。

関連業種

関連製品とソリューション

スコープコーダ DL950

DL950は、DL850E/EVの機能・仕様を大幅に改善し、タッチパネルによる直観的操作を可能した新時代のスコープコーダです。
200MS/s高速サンプルレート、最大8Gポイントメモリー、複数台同期で最大160CHが可能で、お客様の様々なニーズにお応えします。

ミックスドシグナルオシロスコープ DLM3000シリーズ

DLM3000シリーズは、小型軽量コンパクトながら大容量ロングメモリーと豊富な解析機能で好評いただいてきたDLM2000シリーズに、直観的操作が可能なタッチスクリーンを搭載、メモリーを最大500Mポイント(/M2オプション)まで拡張、入力感度やアクイジションレートなど様々な改善を施した、新設計の2/4チャネルミックスドシグナルオシロスコープです。

ミックスドシグナルオシロスコープ DLM5000シリーズ

DLM5000シリーズは、DLM4000シリーズの機能・操作性を継承しつつ、タッチパネル搭載により使いやすさに磨きをかけた新設計の大画面アナログ 8ch 入力 オシロスコープです。新たに4chモデルも追加されました。2台連結同期により、最大16chの測定が可能で、高度化・高速化するパワーエレクトロニクス、カーエレクトロニクス、メカトロニクス開発に最適です。

脱炭素

炭素排出量削減に貢献
いま世界は急速な変化にさらされており、エネルギー問題もその一つです。たとえば、自動車などの移動手段は、炭素排出量の削減のため今後より一層化石燃料からの脱却が進み、再生可能エネルギーにシフトしていきます。
よりクリーンでより環境に優しい世界へ。YOKOGAWAは持続可能なエネルギー供給の実現に向けて、高精度計測で貢献しています。

高分解能オシロスコープ DLM5000HDシリーズ

YOKOGAWAのDLM5000HDは、最先端の4/8チャネル高分解能オシロスコープです。コンパクトな8チャネル、垂直軸分解能12ビットのオシロスコープで、複雑な高速波形を高分解能で観測・解析でき、微細なノイズやリンギングなどの確認が容易に行えます。回路チェックからトラブルシューティング、高度なタイミング解析まで、幅広いアプリケーションをカバーしています。

オシロスコープ

使いやすい縦型コンパクトのアナログ4ch入力「ミックスドシグナルオシロスコープDLM3000シリーズ」と大画面アナログ 8ch 入力 「ミックスドシグナルオシロスコープDLM5000 シリーズ」に、 電圧軸が12ビット高分解能化した「高分解能オシロスコープ DLM3000HDシリーズ、DLM5000HDシリーズ」がラインアップされました。

オシロスコープ|波形測定器

オシロスコープは、高速な電気信号を波形として表示するエレクトロニクス技術者必須の測定器です。
ユニークな縦型コンパクトモデルや多チャネルモデルのオシロスコープに加え、オシロスコープとデータロガーの機能を兼ね備えたスコープコーダなど、特長ある製品ラインアップをご用意しています。
また、様々な測定に対応する電圧プローブ、電流プローブ、ロジックプローブを取りそろえ、数々の先進機能を搭載し、日々の測定業務を強力に支援します。

データロガー|データ収集(DAQ)

高速捕捉・高速転送・高速保存を追求し、ハイパフォーマンスを実現した 高速データロガー、高速データ収集装置です。測定対象に応じたプラグインモジュールを選択、組み替えることで、インバータや電源などに代表されるフローティング電圧測定のほか、各種センサーを直接接続でき、1台で様々な物理量を測定することが可能です。

高速データロガー|スコープコーダ

スコープコーダは、オシロスコープの使い易さと多チャネルデータ収集するデータロガーを融合した統合型計測器です。
スコープコーダ一台で、信号を同時にデータ収録し、オシロスコープと同様のトリガ機能を揃え、データ表示、分析ができ、様々な用途にお使いいただけます。

Precision Making

トップ