AQ6370Eは通信分野に代表される波長帯域(600~1700nm)に最適化したベンチトップ型の光スペクトラムアナライザです。
世界最高クラスの光学性能と高速測定、機能により研究開発から製造まで幅広くご使用いただけます。新たに高速測定モードやよりシャープなスペクトルを測定できるモード、タッチパネル、APP機能を搭載しています。
高い測定性能を誇る標準モデルのほか、より高い波長確度とダイナミックレンジを実現した高性能モデルをラインアップしました。
コンパクトながら高性能なモノクロメータを搭載。高い分解能により近接した信号も分離して正確に測定します。
波長範囲 |
標準モデル |
高性能モデル |
1520〜1580 nm |
±0.015 nm |
±0.008 nm |
1450〜1520 nm |
±0.015 nm |
表中の波長確度は代表値です。
ピーク波長近傍の迷光を低減し、高ダイナミックレンジを実現しました。
標準(-10) |
高性能(-20) |
|
ピーク波長±1.0nm |
73 dB |
73 dB(Typ. 78 dB) |
*波長分解能 0.05nmにて |
HCDR(High Close-in Dynamic Range)モードは、単一縦モードレーザー測定向けの機能です。
ピーク付近のスペクトル波形をよりシャープに測定することができ、サイドモードを明確に可視化します。
このモードは高性能モデル(-20)にのみ搭載されています。
HCDRモードの測定例
分解能:0.02 nm、高性能モデル
パワーレベルの差が大きい光信号も高ダイナミックモードを使用せずに高い迷光抑圧比で測定することができます。
標準(-10) |
高性能(-20) |
73dB |
76dB(Typ.80dB) |
* 波長分解能 0.1nmにて
感度設定:MID、高ダイナミックモード:OFF (代表値)
光アンプおよびラマンアンプ用のポンプレーザーなどの高パワーの光信号から微弱な光信号まで短時間で正確に測定します。測定感度は、測定アプリケーションや測定スピードなどの条件に応じて、7段階の中から、適切な設定を選択いただけます。
測定スペクトラムに重畳するノイズ成分を軽減するスムージング機能を搭載しています。
アングルタイプの光コネクタ使用時の挿入損失を補正する機能を搭載しています。
SMSRモードは、レーザー光のSMSRをより高速に測定するための感度設定です。従来の感度モード(TRAD MIDx2)に比べ、最大2倍の速度でSMSRを測定できます。
* 光スペクトルのレベルによっては高速測定できない場合があります。
20,001のデータポイント数により、高い分解能を保ったまま、より広い波長範囲を一括測定でき、測定をより高精度化・効率化します。
マルチタッチ対応の静電容量式タッチパネルを搭載した高解像度で応答性の高い10.4 型LCDディスプレイにより、操作がさらに簡単で直感的になりました。
タブレット端末を操作する感覚で、測定条件の変更、測定や解析の実行、光スペクトルビューの変更などを行うことができます。
光スペクトルビューでは、タップ&ドラッグするだけで波形ビュー領域をズームまたはシフトできます。
メモリーに保存された大量のファイルの中から必要なファイルを探し出すのに便利です。
全7トレースの保存と再生が1ファイルで行えます。ファイルは、CSV 形式で保存され、PCアプリケーションソフトウェアで活用することができます。
アプリケーション(APP)モードは多用途なAQ6370シリーズを測定対象デバイス(DUT)専用の測定器に変身させます。
APPモードは、測定条件設定から解析結果出力に至るまでお客様をナビゲートするDUT 固有のユーザーインタフェースを提供します。
お客様はAQ6370Eの様々な設定を意識することなく使用することができます。
アプリの基本動作
AQ6370Eには、WDMテスト、DFB-LDテスト、FP-LDテストなどのいくつかの基本的なアプリがプリインストールされています。
また、YOKOGAWAのウェブサイトからダウンロードしたアプリをAQ6370シリーズに追加して使用することもできます。
APPメニュー画面
伝送システムの周回実験に使用します。AQ6370Eは外部ゲート信号を用いて特定ループの信号を測定します。従来の外部トリガ信号やサンプルイネーブル信号による測定より、高速で測定が可能となります。
外部光源を使用し透過雑音帯域幅を校正する機能です。ASEやSC光源などの広帯域なスペクトラムのパワー密度をより正確に測定できます。
複数スペクトラムの同時表示、差分演算などのトレース間演算機能、最大・最小値記憶(Max/Min hold)などを装備。
代表的な解析機能を標準搭載しています。
プログラム機能を使用して、複数の解析を自動的に実行することができます。
外部コントローラによる自動テストシステム構築をサポートします。
周囲環境の変化や移動時受ける振動や衝撃は光学系に少なからず悪影響を与え性能劣化の原因となります。 AQ6370には、短時間で光軸ずれや波長ずれを補正して高い光学性能を維持する機能が搭載されています。
AQ6370Eは、内蔵の波長基準光源(オプション)あるいは外部光源により、アライメントおよび波長校正が行えます。
内蔵波長基準光源や外部光源を用いて波長校正を行い波長ずれを自動補正します。
内蔵波長基準光源(オプション)あるいは外部光源を使用して、移動時などの振動や衝撃による光軸ずれを自動補正します。
AQ6370Eは、光コンポーネントや光伝送装置の研究開発から製造のほか、様々な分野に応用することができます。
DWDM信号のOSNR測定例
WDMシステムの伝送光信号の光スペクトラムを測定し、
WDM(OSNR)解析にて、チャネルごとの波長、
光レベル、チャネル間隔、SN比が求められます。
DWDM用光アンプ(EDFA)の測定例
光アンプへの入力光と出力光のスペクトラムをそれぞれ測定し、
WDM-NF(EDFA)解析にて、チャネルごとの波長、
アンプゲインとNF(雑音指数)が求められます。
光スペクトラムアナライザAQ6380は、次世代光ネットワークに使用される光トランシーバやコンポーネントの研究開発に必要な測定性能を備えた光スペクトラムアナライザです。
業界最高の波長分解能を実現するだけでなく、高速測定とタッチパネル、APP機能の搭載により測定効率を大幅に向上させます。